鹿児島県議会 > 1998-09-24 >
1998-09-24 平成10年第3回定例会(第4日目) 本文

  • "クリスマス"(/)
ツイート シェア
  1. 鹿児島県議会 1998-09-24
    1998-09-24 平成10年第3回定例会(第4日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時十分開議    △ 開  議 ◯議長(溝口宏二君)ただいまから、本日の会議を開きます。       ─────────────    △ 知事報告 2 ◯議長(溝口宏二君)本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりでありますが、一般質問に先立って知事から発言を求められておりますので、これを許可することといたしたいと思いますが、御意義ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 3 ◯議長(溝口宏二君)御異議ありませんので、これを許可いたします。 4 ◯知事(須賀龍郎君)エアーニッポン株式会社から運休の申し出のございました奄美・沖縄線につきましては、これまで沖縄県、国、地元市町村と一体となって路線存続に向けて取り組みを進めてきたところでありますが、このたび来年二月から琉球エアコミューター株式会社が参入する方針が決定をいたしました。なお、現在、この路線を運航しておりますエアーニッポン株式会社は、ことし十一月までの運航予定でありましたが、けさほど同社の高梨社長と直接連絡をとりました結果、来年一月までは同社により運航されるよう改めて要請をしたところであります。私といたしましては、来年一月までは同社による運航が行われるということで、明るい見通しを持っておるところでございます。(拍手)       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、一般質問    黒 田 清 信 君    吉 永 守 夫 君    祝 迫 かつ子 君    梶 原 弘 徳 君  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会
          ━━━━━━━━━━━━━    △ 一般質問 5 ◯議長(溝口宏二君)それでは、通告に従って順次発言を許可いたします。  黒田清信君に発言を許可いたします。    [黒田清信君登壇](拍手) 6 ◯黒田清信君 おはようございます。  平成十年第三回県議会定例会に当たり、公明県議団として当面する県政の諸課題について、一般質問をさせていただきます。  懸案でございました奄美・沖縄の航空路線の存続につきましては、冒頭、知事から御報告がございました。交流を促進する意味からも、私どもも大変強い関心を持っておりましたけれども、RAC琉球エアコミューターさんが参入をいただけるということで、大変喜ばしく思っているところでございます。ひとまず安堵いたしたところでございます。ここまで御努力をいただきました知事初め県御当局、さらには地元奄美の皆様、そして何よりも沖縄の皆様方に心から感謝を申し上げ、敬意を表する次第でございます。今後とも機材の問題等、クリアすべき課題も残されてはおりますけれども、今後とも積極的な対応をよろしくお願いを申し上げたい、このような気持ちでいっぱいでございます。  景気対策を最大の争点にした第十八回参議院選挙は、橋本政権の経済失政に対して有権者が厳しい審判を下し、自民党大敗の責任をとり橋本首相は退陣を余儀なくされました。経済再生内閣を目指してスタートした小渕新政権も明確な姿が見えず、まさに内憂外患、多事多難の状況にございます。出口の見えない極めて深刻な不況が日本列島を覆いつくし、経営基盤の脆弱な零細企業を初め大企業までも倒産が相次ぎ、失業者が急激に増加し、株価はついにバブル以降最安値の一万三千五百円台に下落いたしております。  不良債権や無責任な放漫経営に端を発した長期信用銀行等を初めとする金融機関の破綻、毒物混入事件の連続発生や将来を託すべき青少年も含め、耳や目を覆いたくなるような凶悪で残虐な犯罪の多発等、極めて深刻で憂慮すべき状況にあります。特に、毒物混入事件は無差別殺人をねらう悪質なもので、連鎖的発生は日本の倫理観もここまで落ちたのかと、何とも嘆かわしく残念でなりません。  また先月、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが三陸沖の太平洋に着弾したという報道がなされました。確かに人工衛星ではないかとも言われておりますが、事前通告なしのこの北朝鮮の行為は、北東アジア情勢に深刻な影響を与え、国際ルールを無視した暴挙であり、断じて容認できるものではありません。水増し請求事件をめぐる組織ぐるみとも言える防衛庁の不祥事など、あってはならないことで言語道断であります。  そこでまず伺いますが、バブルの後遺症や不良債権に端を発した長期信用銀行を初めとする相次ぐ金融機関の破綻、また、連鎖的に発生する毒物混入事件、青少年を初めとする凶悪で残虐な犯罪の多発、一般常識では考えられないような防衛庁の組織ぐるみの不祥事、さらには国際常識を逸脱した北朝鮮の威嚇等、まさに世紀末的要素を呈する我が国の極めて憂慮すべき世情について、知事はどのように感じておられるのか、率直な見解をお聞かせください。  次に、日米共同訓練について伺います。  自衛隊の霧島演習場において、十一月に日米共同訓練が実施されることが発表されましたが、具体的訓練内容移動ルート等訓練の全容が明らかでないために、安全の確保や騒音問題等、地元を初め県民から不安の声が出ているのも事実であります。  そこで、日米共同訓練の全容について、県民の生命と安全を守る立場から県として積極的な情報収集に努め、いっときも早く訓練の具体的内容を把握し県民に周知徹底を図ることが急務であります。国に対して早急に訓練内容を明らかにするよう要請すべきでありますが、見解をお聞かせください。また、県民生活に支障が生じないような安全確保対策への取り組みについても伺います。  次に、将来を見据えた県の財政健全化計画の策定について伺います。  先般、発表された平成九年度の一般会計の決算見込によりますと、実質単年度収支は黒字となったものの、法人関係の税収が大きく落ち込み、厳しい状況であります。今後も景気低迷が続き、税収は好転が期待できる状況にはございません。このように歳入が減る中、景気対策や災害復旧対策等の歳出増で、借入金残高は前年度に比較し一千百億円以上も増加し、県債残高はついに年間予算を超え一兆八百億円余りにも達し、財政運営はますます厳しさを増しております。  鹿児島にとって、まだまだおくれている社会資本の整備の促進は当然であり、県内景気の浮揚の観点からも公共事業の実施は不可欠であることは論をまちません。しかしながら、経済対策とは言え、消化不良を起こすほど公共事業を受け入れ、県債が無制限的に膨張していくのは財政運営上決して問題なしとはしないのであります。  県税収入は伸び悩み、県債残高は年間予算を超え、財政は硬直化し、今後の財政運営に支障を来すことを懸念するものであります。  そこで、県独自の起債制限ラインを設けるなど、中長期的に将来を見据えた県の財政健全化計画の策定は、極めて大事な問題であると考えますが、見解をお聞かせください。  次に、公職選挙法の改正と選挙について、選挙管理委員長にお伺いをいたしたいと思います。  投票率の長期低迷傾向に歯どめをかけるべく投票をしやすい環境づくりとして、投票時間の延長や不在者投票の条件緩和などを柱とする公職選挙法が改正され、今回の参議院選挙は初めての国政選挙でありました。  そこで、まず今回の参議院選挙について、公職選挙法の改正の効果と課題について、どのように総括されているのか伺いたいのであります。  次に、今回の参議院選挙における選挙違反の状況と、県警本部長の見解について伺います。  今回の参議院選挙は、激戦であったため選挙違反も多かったのではと危惧するのでありますが、どのような違反が何件あったのか、他県の状況と比較して県警本部長の見解をお示しいただきたいと思います。  さらに、極端におくれた開票作業の原因と対策についてであります。参議院選挙では投票時間が延長されたとは言え、鹿児島市の開票作業が他県の同規模の類似選挙区に比較して、二時間から四時間もおくれて、市民、県民から大変な不評を買いました。  また、先日、執行されました指宿市長選、市議選でも開票作業がおくれ、深夜の零時の選管発表で前回の最低当選者の得票に達したのは、立候補者二十七名中わずか四名でありました。前回の最低当選者の得票に達しなければ当然、当選確実とは言えず、選挙結果に関心の強い市民支持者は体制が判明する深夜遅くまで拘束されることになり、住民生活に影響も出てまいります。  そこで、極端に開票作業がおくれた原因と改善策について、見解をお伺いいたしたいと思います。  次に、指定病院等における不在者投票の厳正化策として、選挙管理委員会派遣の立会人の必置化について、お伺いをいたします。  病院や特別養護老人ホームなどでは、院長や施設長の申し出により、入院入所者の投票の利便性を図るため、指定病院等において不在者投票が実施されております。院長や施設長が責任者となり、立会人等を置き、公平、厳正に執行されており、投票所まで出かけるのが困難な方々から、投票機会の確保が図れると大変好評であります。しかしながら、県内のある町で実際、特定候補者が有利になるような不適切な対応がなされていたという事件が発生いたしましたが、聞くところによりますと、ごく一部の施設で公平さ、厳正さを欠くおそれのある施設の対応もあるようであります。  そこで、より厳正さを確保するために、立会人は施設の人ではなく市町村の選挙管理委員会から派遣された立会人を置くべきであると考えます。法改正を国に要請する考えはないか、見解をお聞かせいただきたいのであります。  次に、災害対策問題について伺います。  昨年は、数度にわたる県北西部地震や出水市針原川の土石流災害と災害に脅かされた一年でありましたが、幸いにして、本年は例年になく台風の発生も少なく安堵いたしておりました。しかし、台風六号、七号、八号が相次いで発生し、本県への上陸は免れましたものの、秋の台風は規模が大きく、今後災害が起こる可能性も残されております。ことしは災害が発生しないことを祈りますとともに、災害に強い県土づくりの必要性を痛感する昨今であります。  そこでまず、台風来襲に備え、鹿児島市の河川改修対策は万全と言えるのでありましょうか。特に新川における改修工事の進捗状況、用地買収の状況と問題点について明らかにするとともに、今後のスケジュールについてお示しをいただきたいと思います。  次に、永田川の河川改修に関する地権者との具体的な取り組み状況と、今後の改修見通しについて伺います。  永田川河川改修は、昭和三十七年に工事に着手、昭和六十三年度に完成し、延長約六・五キロの両岸を拡幅し、沿岸に河川管理道ができました。しかしながら、山田町の左岸の用地買収が難航したため、川の中に田んぼができている状況で、一丁田橋から諸平橋にかけて左岸七十一メートルは、未改修のまま工事は完了している状況にあります。そのため、未改修部分は川幅が八メートルと、他の箇所の三分の一しかなく、その後の八・六水害においては、上流地域で床下浸水などの被害が出ております。さらには、左岸の道路に車や自転車が集中し、非常に危険な状況にあると地域住民が約一千百人分の署名を添えて陳情が出されているのであります。そこで、永田川河川改修に関する地権者との具体的な取り組み状況や、今後の改修見通しについてお示しをください。  以上で、第一回目の質問といたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 7 ◯知事(須賀龍郎君)長期化します景気の低迷によりまして、国民が日本の将来に対します不安感を持っているという面もありますけれども、我が国は全体的には世界第二位の国内総生産や個人金融資産を有するなど、経済的な基礎条件は強固でありまして、また、国民の教育や勤労モラルは高い水準にありますので、社会的には安定した基盤を持っているものと考えております。ただ、最近の毒物等の混入事件の続発や北朝鮮のミサイル発射問題などにつきましては、大変憂慮すべきことでありまして、国におきましては、これらの諸問題の解決に向けまして、全力で取り組むべき課題であると考えております。私といたしましては、このような時代にありましても、県民の一人一人が鹿児島に誇りを持ち、県内のどの地域に住んでいても生涯にわたり安心して生き生きと個性豊かな生活ができるように、潤いと活力に満ちた鹿児島の創造に向けまして、さらに全力を傾注してまいりたいと考えております。  去る八月六日、防衛庁から連絡を受けました日米共同訓練につきましては、現在、訓練内容の細部につきまして、日米間で調整されているとのことでありますが、県といたしましては、できる限り早く情報を収集いたしますとともに、訓練内容について早急に明らかにするよう要請をしているところであります。また、八月六日に連絡を受けた際は、日米共同訓練の実施に当たっては住民生活に支障を生じないよう、事故防止や治安対策など住民の安全確保に十分配慮されるよう国に強く要請をしたところであります。今後、訓練内容の細部が明らかになり次第、県議会の御意見も承りながら住民の安全確保対策を含めまして、適切に対応してまいりたいと考えております。 8 ◯総務部長(高田守國君)本県では、財政健全化計画は策定をしておりませんが、これまでも後年度の財政状況の見通しの上に立って、毎年度鹿児島行政改革大綱に基づき、組織機構の見直し、職員数の適正化、また既存事務事業の見直しに努めてまいりました。また、交付税措置のある有利な起債の活用等の公債費対策、さらには税源の涵養や地方交付税国庫支出金などの確保等に積極的に取り組みながら財政の健全性の確保に努めてきたところでございます。現在の本県の財政は、社会資本の整備と県内経済への配慮等の観点から、普通建設事業を積極的に計上をしてきましたことの結果によります県債残高の増嵩や、県債の伸び悩み等から厳しい状況に置かれておりますが、一方では低迷が続いております県内景気の一日も早い回復が要請をされておりますとともに、おくれている高速交通体系等の社会資本の整備を急がなければならない状況もございます。  このようなことから、県といたしましては、引き続き税源の涵養や地方交付税の確保などに最大限の努力を傾注いたしますとともに、さらに徹底した組織機構や事務事業の見直しなど行政改革の着実な実施に努めることなどにより健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 9 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)第一点の公職選挙法の改正の効果と課題についてでございます。  今回の参議院選挙における投票時間の二時間延長に伴う十八時以降の投票者数が十万九千八百七十七人でございます。また、不在者投票をなさいました不在者投票者数は、投票事由の緩和や時間延長に伴いまして、前回に比べ三万八千二百四十五人の増となっております。もし公職選挙法の改正がなかったといたしますなら、この投票増は期待できなかったであろうと考えまして、投票率も約一〇%ほど下回る五四%程度になったのではなかろうかと推定いたしております。したがいまして、今回の改正は投票率アップに大きな効果があったものと認識いたしております。  今回の選挙は、県内ほとんどの選挙管理委員会にとりまして、法改正後の初めての選挙でございましたために、投票立会人や担当職員の確保の問題、あるいは投票所の施設整備の問題など、地域によりましては、今後検討すべき課題があったところでございますが、今後、国や市町村の選挙管理委員会とも協議しながら選挙の適正な管理執行に努めてまいりたいと考えております。  二点目でございます。  開票作業のおくれに関連する御質問でございますが、鹿児島市の参議院選挙の開票作業のおくれにつきましては、投票者数が大幅に伸びたこと、これは投票率が伸びたこととも直結いたすと思いますが、この投票者数が大幅に伸びたこと、それから開票作業の正確を期する余り、確認作業に時間がかかったことなどが原因であるというふうに聞いております。  県選挙管理委員会といたしましては、鹿児島市選挙管理委員会に対しまして、今回の作業のおくれの原因を調査し対策を検討するよう指導したところでございますが、同市の選挙管理委員会は既に先進優良事例を調査し、現在、改善策を検討しているところでございます。  また、御指摘の指宿市長及び指宿の市議会議員選挙の開票作業のおくれにつきましては、市長選挙と同時に行われました市議会議員選挙におきまして、同数の得票者が二人おりましたために、そのくじを実施したことなどによるものと聞いております。  県選挙管理委員会といたしましては、今後とも研修などを通じまして、公正で迅速な開票事務を指導いたしてまいりたいと考えております。  三点目は、指定病院等における投票立会人の関連でございます。  指定病院等における不在者投票は、選挙人の選挙権行使の機会を確保いたします目的で、当日投票の例外的な制度として設けられたものでございますが、投票事務につきましては、公職選挙法同法施行令などによりまして、市町村の選挙管理委員会の委員長ではなくて、当該指定病院等の長を不在者投票管理者とする旨定められておりまして、その不在者投票管理者たる施設長の責任において不在者投票が行われるということになっております。したがいまして、市町村の選挙管理委員会が立会人を派遣することは、現行法令上は無理があると考えております。  県選挙管理委員会におきましては、これまで選挙のたびごとに不在者投票指定施設の事務長などに対しまして、不在者投票管理事務の研修を行い、厳正な不在者投票の執行に努めてまいっておりますが、御指摘の点の改善も含めまして国とも相談いたしながら、今後とも厳正な執行がなされるよう指導してまいりたいというふうに考えております。 10 ◯警察本部長(小野次郎君)さきに行われました第十八回参議院議員通常選挙におきましては、県警は選挙違反取締本部を設置いたしまして、厳正、公平かつ徹底した取り締まりを行い、四事件三十二件、逮捕者五人を含む五十一人の現金買収供応事件を検挙いたしております。数字的には全国でも有数の違反検挙県となっておりまして、遺憾ながら一部には金権選挙の実態がうかがわれるところでございます。  現金買収供応といった、いわゆる票を金で買う行為は、民主政治の基盤ともいうべき選挙制度、ひいては民主主義そのものを揺るがす重大な違反行為であると認識いたしております。来年、統一地方選挙が控えておりまして、県警としては、今後とも不偏不党かつ厳正、公平な立場を堅持して、選挙違反取り締まりに当たる所存でございます。 11 ◯土木部長(板垣 治君)鹿児島市内の四河川のうち甲突川につきましては、河床掘削が終了し現在残る護岸工事を進めており、洪水流量毎秒七百トンに対応できる河道となっています。稲荷川につきましては、国道十号戸柱橋から滝之神まで概成し、流下能力は毎秒百四十トンとなっており、現在、放水路の用地買収を進めております。永田川につきましては、未買収の一部区間を除き改修を終えており、国道清美橋付近で毎秒四百五十トンに対応できる河道となっています。新川につきましては、河口からJR涙橋まで拡幅工事を終え、流下能力は新川橋付近で毎秒約百八十トンとなっており、平成十年度は、JR涙橋、市道橋露重橋の改築や護岸整備を進めることとしております。  また、JR涙橋から唐湊の湊橋までにつきましては、用地買収を進めており、平成十年八月末までの進捗率は六五%となっています。  用地買収につきましては、用地買収価格や移転先等の問題がありますが、今後とも地元の協力を得ながら用地の進捗を図り、早期整備に努めてまいりたいと考えています。  永田川の未改修部分の用地につきましては、昭和五十年代半ばから用地交渉を始め、最近では平成十年九月十日に地権者と交渉を行っていますが、地権者からの代替地要求に対し、あっせんした土地や買収価格に合意が得られず、用地買収が難航しています。  今後とも地権者の理解と協力が得られるよう用地交渉をすることとし、用地問題が解決した時点で、当該区間の改修に着手したいと考えております。    [黒田清信君登壇] 12 ◯黒田清信君 それぞれ答弁をいただきました。  幾つかございますが、将来を見据えた財政健全化計画の策定の提案をいたしましたが、おくれております社会資本の整備を促進する上からも、また県内景気の浮揚策からも公共事業の促進は不可欠であることは繰り返しますが、論をまちません。年間予算を超えた県債残高のうち五六%、六割近くが交付税措置のある有利な起債とは言え、後年度返済しなければならない借金であることには違いがありません。財政の健全化と社会資本の整備は、ある意味では二律背反的なバランスの問題でありますが、いずれも大切であります。将来とも社会資本の整備を継続して行っていくためにも、持続可能な整備を促進していくためにも中長期的な財政計画、ビジョンを策定することは、今を生きる我々に課された責務であると思います。今後の積極的な対応を強く要請をいたしておきたいと思います。  また、公職選挙法の改正の効果等についても答弁をいただきました。今回、新しく公職選挙法の改正についても提案をさせていただきましたけれども、有権者の立場に立った御検討をいただきますよう、お願いをいたしておきたいと思います。  災害対策は、何よりもプライオリティーをもって取り組むべき課題であります。鹿児島市の河川改修対策につきましては、いずれの河川にいたしても、八・六水害を目の当たりにしている住民の不安を、いっときも早く取り除いてあげることが行政の責任であります。それぞれの課題があることは十分承知をいたしておりますが、今後とも積極的な対応を要請いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  まず、環境問題の第一は、ウミガメ保護についてでございます。  昭和六十三年、県ウミガメ保護条例を制定してから十年が経過をいたしました。徳島県日和佐町や三重県紀宝町の条例はありますが、県の保護条例は今でも本県だけであり、世界的に絶滅の危機にある貴重な野生生物でありますウミガメの卵の盗掘は、パトロールの効果や保護意識の向上で皆無に近く、ウミガメの保護は確実に前進をしてきております。しかしながら、減少一方の上陸産卵数や産卵場である海岸、砂浜の減少やごみによる上陸産卵環境の悪化は大変厳しい状況にございます。  そこでまず、全国初の県ウミガメ保護条例制定十年を経過しての総括と、今後の課題について率直な見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、海岸の砂浜減少について伺います。  近年、屋久島や吹上浜だけでなく、海岸の砂浜が細り浜がけができているところが県内のあちこちで見られます。砂浜の侵食問題は、全国的な課題ではありますが、砂浜減少の原因を追及し、有効な対策、養浜策を講じなければ豊かな自然は崩壊をし、失われていってしまいます。  そこで、海岸の砂浜減少の原因についての見解と、養浜策について伺いたいと思います。  鹿児島県は、全国の赤ウミガメの五、六割が上陸し、特に屋久島の田舎浜は密度で言えば世界一の赤ウミガメの上陸産卵地とも言えます。三重県紀宝町では道の駅としてウミガメ公園を設置し、ウミガメの資料館や飼育棟として整備をされております。  そこで、以前にも提案をいたしましたが、本県でもウミガメの保護、観察、研究の拠点施設として、(仮称)ウミガメ博物館を市町村と協力して建設する考えはないか見解をお尋ねいたします。  次に、海砂の採取と骨材確保策について伺います。  海砂の採取問題については、既に議論が交わされました。漁業に悪影響を及ぼすとする漁協、公共事業に海砂は不可欠で採取できなければ公共事業はストップしてしまうとする県、採取できなければ倒産すると主張する海砂の採取業者、県は公共事業等骨材確保対策協議会を設置し、この困難問題の解決に取り組もうとされておりますが、十分な協議、研究をしてほしいものでございます。海砂を採取すれば自然の摂理で当然砂浜は侵食され、漁業にも無関係ではないはずであります。私は、抜本的な解決策は、海砂にかわる代替骨材の開発以外にはあり得ないと思います。  そこで、これまでの代替骨材の研究開発の現状と、開発実用化の見通しについて明らかにしていただきたいのであります。  次に、ダイオキシン対策について伺います。  強い発がん性や出生異常などを引き起こす猛毒のダイオキシン類による大気、土壌汚染が全国的に顕在化し、健康被害に対する不安が広がっております。本県の焼却施設でも高濃度の大気中ダイオキシンが検出されて、県民が大きな不安を抱いていたやさき、屋久町が独自に実施した土壌調査において、焼却場や周辺の土壌から一グラム当たり三百ピコグラムのダイオキシンが検出されたと報道がなされました。我々はこの問題を重視し、先日屋久町の焼却施設を訪れ、現地調査を実施したところであります。野焼きや焼却灰の違法埋め立てを県から指摘された屋久町が、世界遺産の島、環境の島のイメージを保つために独自に予算を計上、調査を実施し、公表したことはむしろ評価すべきことであろうと考えます。屋久町は離島という地理的な制約から最終処分場がなく広域処理も困難でありますが、問題が表面化してからは焼却炉の改修を行い、野焼きをストップし、分別収集に取り組むなどの対策を実施してきております。  そこで、今回の現地調査を踏まえ、以下数点お尋ねをいたします。  まず、県内自治体の分別収集の実施状況とごみの減量化やリサイクル等、県民への意識啓発の促進についてお聞かせください。  次に、かつて野焼きを行っていた自治体数を明らかにするとともに、焼却場や焼却場周辺、特に野焼き跡のダイオキシン土壌調査の実施を、市町村に積極的に指導をしていくことが肝要であると考えます。あわせて、国に対し、土壌中のダイオキシン濃度の基準を示すよう要請すべきでありますが、いかがでしょうか。取り組みをお聞かせください。  また、現在のところ焼却灰の処理は、管理型処分場に搬出して処理するか、ダイオキシン処理技術が確立されるまで保管しておくかしかありませんが、いずれも多額の財政的負担を強いられます。今、各自治体は地域住民の命と安全を守るために最善の対策を講じたいと努力しておりますが、すべて財政的な壁に直面をいたしているのであります。  そこで、焼却施設の改善や、焼却灰の一時保管施設の建設に対する国、県の財政的支援をさらに強化することが極めて大事でありますが、見解をお伺いいたします。  加えて、燃えるごみの固形燃料化、いわゆるRDF化への推進についても見解を伺います。  また、予定しておりました県版レッドデータブックの作成については、元野議員の質問がございましたので割愛をし、作成に向けて積極的な対応を強く要請し、次の質問に移りたいと思います。  介護保険問題についてであります。  戦後最悪の不況の中で、老後への不安は増すばかりであります。特に二〇〇〇年四月のスタートまで一年半と迫った介護保険制度については、保険あって介護なしの懸念が強まっております。介護サービス基盤の整備がおくれている上、制度全般にわたって不透明な点が余りにも多過ぎるのであります。懸念される最大の問題点は、要介護認定の手続と基準が不透明なため、公平さが確保できるのかという点であります。ホームヘルパーや特別養護老人ホームなどサービス供給面の不足などの理由から、認定審査会で否定されたり、判定された要介護レベルが異なるケースが続出したり、自治体の財政力により地域格差が出る危険性は依然として解決されているとは言えないのであります。  事実、厚生省のモデル事業の報告でも認定が食い違ったケースは四人に一人にもなり、自治体からも在宅施設別の判断基準、あるいは医師の研修、要介護レベルごとの境界の明確化などの制度見直し要求が政府に殺到したと言われております。  保険料負担も問題であります。加入者一人当たりの全国平均は、初年度月額二千五百円と言われておりますが、報道されました高知県の試算によりますと、平均三千八百円になり、高いところは五千円から六千円にしなければ維持できない市町村も出て来るのではないかとさえ言われておるのであります。この保険料負担に介護サービス使用料が加わると、在宅介護で最重度レベルの寝たきりの場合、月額三万円を上回る計算で、年金生活者など低所得者には極めて重い負担であり、夫婦の場合、当然これらの倍になり、保険料の未納者問題が懸念をされます。  さらに、ホームヘルパーなど報酬を始めとする担い手の待遇改善も急務であります。これらの問題点が制度の成否を左右することはもちろんでありますが、制度運営の多くの重要部分が法律ではなく、政省令で今後対処することになっており、その数が四百にも上ることは問題であります。来年の十月から要介護認定の受け付けが始まりますが、円滑、公平な制度の運営は極めて困難と言わざるを得ない状況にございます。  そこで、要介護認定の公平さの確保、サービスの地域格差、保険料負担の問題、介護サービス使用料の一割負担、保険料の未納者問題、ホームヘルパーの待遇、見切り発車的政省令対応の問題等、もろもろの課題についてどのようにお考えになっておられるのでありましょうか。そして、どのように解決していこうとされているのか、現在の率直な見解をお聞きしたいのであります。  最後に、教育問題について伺います。  学校嫌いを理由に一九九七年度中に三十日以上欠席した不登校の小中学生は、十万五千四百十四名に上り、初めて十万人を突破したことが文部省の調査でわかりました。人数の割合では、中学生は五十三人に一人、小学生は三百七十八人に一人となり、過去最高となっているのであります。いじめを苦にとうとい命を落とす児童、生徒の被害は、全国各地に及んでおります。中でも、ことし七月に起きた広島県立高校一年生の同級生グループから殴られた直後の自殺は、衝撃的でありました。自殺した生徒に暴行を加えていた同級生グループの背後に、暴力団と関係の深い暴走族が関与していた疑惑が浮上しているからであります。  それは、学校が緊急アンケート調査を実施し、同グループに生徒の約七割が被害に遭っていて、中には金を強要されたり、集金をさせられたりしていた生徒が約二割もいたことが、調査から明らかになってきたのであります。  さらには、東京ドームの座席確保でも暴力団が関与して高校生を利用したことも報道されております。本県でも中学生や高校生を持つ保護者から、暴力だけでなく、金銭要求があるのではないかという声も聞かれるのであります。  そこで、事件があってからではなく、本県の全中学、高校において生徒、保護者に対する実態調査をすべきであると考えますが、教育長の積極的な答弁を期待いたします。  次に、地方教育行政のあり方を検討しております中央教育審議会は、小中学校の通学区域や学校選択について、保護者や住民の意向に配慮し、地域の実情に応じて弾力的運用に努めるという答申を出しております。  現行制度では、市町村内に複数の小学校や中学校がある場合、市町村の教育委員会が通学区域を指定しております。変更する場合は、地理的事情やいじめへの対応など個別の児童生徒について例外的なケースに限って認めております。従来は、例外的であってもなかなか通学区域の変更は認めてもらえなかったのが実態でありましたが、鹿児島市では、本年七月から指定学校変更基準の緩和がなされました。特に保護者からの要望が多かった学期途中の転居については、今まで転居後はその学期までしか、現在の学校に通えなかったのですが、今回の緩和で卒業まで転居後も現在の学校に通えることになりました。  また、保護者が勤めにより留守家庭になる場合も、保護者の勤めている近くの学校に通える学年が小学校六年生まで緩和されております。  そこで、鹿児島市のように通学区域の弾力化は時代の要請であり、県教育委員会として各市町村へ通学区域の弾力化を指導する考えはないか、お伺いいたします。
     中高一貫教育につきましては、代表質問等で質疑が交わされましたので割愛いたしますが、いよいよ協力校の指定がなされました。高校入試や学区制、学校行事等、運営上の課題が山積しておりますので、中高一貫教育に関する研究会議で十分論議され、早期導入に結びつくことを期待し、要望にかえたいと思います。  最後に、県立相撲場の建設について伺います。  昨年の第一回定例会の本会議における奥山議員の質問に対しまして、知事が「今後、用地の問題を初め、規模とか形態とか研究すべき問題もいろいろございますが、公認相撲場の設置につきましては、検討させていただきたいと考えております」と、答弁されております。本県に県立相撲場がないことからも、県総合基本計画の第三期実施計画に位置づけるべきであると思います。ところが、実施計画には相撲場の整備、充実となっており、県立相撲場の建設とは明示されていないのであります。  そこで、県として、第三期実施計画に県立相撲場の建設と位置づけ、調査費ぐらいは計上し、積極的な対応をすべきときにきていると思いますが、今後どのような取り組みをされるのか伺い、二回目の質問といたします。 13 ◯環境生活部長(大久保博志君)本県では、ウミガメの捕獲や卵の採取を禁止するとともに、保護思想の普及啓発を促進するため、昭和六十三年にウミガメ保護条例を制定し、これまで海岸への車両の乗り入れ規制や夜間パトロールの実施、また海岸の清掃や車の光りを遮るための植栽など、海岸の環境保全にも努めてきたところであります。こうした取り組みにより、最近では卵の盗掘はほとんど見られなくなり、また、県民のウミガメ保護意識も向上してきているところであり、今後ともこれらの取り組みを中心に関係機関団体とも連携を図りながら、ウミガメの一層の保護に努めてまいりたいと考えております。  なお、ここ数年ウミガメの上陸頭数が減少いたしておりますが、ウミガメの生態はまだ解明されておりませんので、短期間のデータのみでは、その原因を判断することは困難であることなどから、昨年度から三カ年計画で、国のウミガメ生息調査が実施されているところでございまして、本県といたしましても、この調査に協力をいたしているところであります。また、屋久島環境文化村マスタープランにおいて、ウミガメの産卵観察から保護教育を進めるウミガメとふれあう里の整備が提案されており、現在、地元上屋久町において、ウミガメ博物館構想についての具体的な検討が行われると聞いております。県といたしましては、今後、地元町の計画が具体化する段階で何らかの新方策がないか考えてまいりたいと考えております。  次に、市町村のごみの分別収集につきましては、現在、容器包装リサイクル法に基づき、計画を策定し分別収集を行っている市町村が十九、法には基づかないが、何らかの形で分別収集を行っている市町村が四十五、合計六十四市町村でございます。県としましては、ごみの排出抑制や減量化、リサイクルは環境保全及び資源の有効活用の観点からも極めて重要であると考えており、これまで消費者団体や業界団体、リサイクル業界等で構成する県クリーンリサイクル推進協議会や、市町村と連携して県民の皆様にごみの排出抑制やリサイクルの必要性を認識していただくため、各種研修会、講習会の開催を初め各種の冊子やリーフレットの配布を行うなど、普及啓発を行っているところであります。  なお、容器包装リサイクル法が平成十二年四月から本格施行されますことから、法に基づく分別収集計画の未策定の市町村につきましては、平成十二年度にはすべての市町村がこの計画を策定の上、分別収集を行うよう、強く指導してまいりたいと考えております。  昨年、実施しました一般廃棄物処分場の実態調査におきましては、十一の市町村等が安定型処分場で野焼きを行っていたことから、県といたしましては、これらの市町村等に対し、直ちに野焼きを中止するよう強く指導をするとともに、安定型処分場で焼却灰の埋立処分や野焼きを行っていた市町村等に対しては、処分場周辺の地下水についてダイオキシン類を含む水質調査を実施するよう指導したところであります。  なお、土壌にかかるダイオキシン類の環境基準等の設定につきましては、全国知事会を通じて国に要望してきておりますが、現在、環境庁において学識経験者等からなる土壌中のダイオキシン類に関する検討会を設置し、検討がなされており、本年度内を目途に報告書が取りまとめられる予定であると聞いております。このため、処分場周辺における土壌の調査につきましては、この国の動向を見極めながら適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、市町村等の焼却施設の新設やダイオキシン削減対策のための施設の改善につきましては、現在、国庫補助対象となっており、これらの施設整備につきましては多額の経費を要することから、県としましてもこれまで施設整備にかかる国庫補助金の確保に努めますとともに、県開発促進協議会などを通じて、施設整備にかかる国庫補助率の引き上げや、補助対象施設の拡大等を強く要望してきているところであり、引き続きその実現に向けて努力をしてまいりたいと考えております。  ごみを乾燥、固化する固形燃料化施設、いわゆるRDF化施設への取り組みにつきましては、今回の一般廃棄物処理施設の広域化計画を進める中で、県としましても情報を提供し、市町村等において検討されてきたところでありますが、固形燃料の具体的な利用方法や施設整備、維持管理、運搬に要するコスト面などの課題があることから、現時点では具体的な取り組みがなされるまでには至らなかったところでございます。ごみ処理のRDF化につきましては、今後の処理技術の開発の動向を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。 14 ◯土木部長(板垣 治君)海岸線は、侵食、堆積を繰り返しながら形成されますが、海岸の侵食は土砂の収支が何らかの原因で崩れたときに生じており、台風などの異常な波浪、河川からの流出土砂の減少、海岸施設などによる漂砂条件の変化などが原因と考えられます。  海岸侵食の対策として、突堤や人工リーフなどの海岸保全施設の整備により侵食を防止するとともに、砂浜の形成を図ってきているところであります。今後とも、ダムなどで適量の河川土砂を流下させる工法につきましても検討するなど自然と共生し、快適で潤いのある海岸事業の推進に努めてまいりたいと考えています。  海砂に変わる骨材としては、岩石を砕いた砕砂やシラス等の利用が考えられ、このうち砕砂につきましては、年々利用がふえ、砂全体の一六%を占めるまでになっています。  また、シラスにつきましては、これまで舗装の路盤材料の砂をシラスに変えるなど、砂の節減を図るとともに、県資源開発協議会や鹿児島大学などではシラスを使用したコンクリートの研究がなされており、利用の可能性が報告されていますが、強度や施工性の問題があり、実用化に至っていないのが現状であります。  海砂に変わる骨材の開発や利用は、水産資源の保護等の観点から極めて重要であることから、十月中に発足する公共事業と骨材加工対策協議会の中で、砕砂の利用の促進や砂の使用の削減工法等を検討するとともに、シラスを使用したコンクリートの現場での試験、施工などにも取り組んでまいりたいと考えています。 15 ◯保健福祉部長(矢島鉄也君)介護保険制度の導入に当たりましては、保険者となる市町村においては、事務処理体制の整備や財政面での負担、公平、公正な介護認定の実施、保険料確保の問題など検討すべき課題を抱えていると認識しております。このため県としては、これまで市町村に対し、制度の説明会や研修会により制度内容の周知を図るとともに、介護保険制度地区協議会等を設置するなどして、こうした諸問題解決の有効な方策として広域的な対応を促進してきており、現在、単独実施の意向を示す一部の市町を除く、その他すべての市町村において、広域的な取り組みで行う方向で検討が進められております。今後は、国の政省令により具体的な事務の取り扱い等が示されますので、市町村の準備事務に支障のないように努めてまいりたいと考えております。 16 ◯教育長(徳田 穰君)児童生徒の問題行動に関する実態調査は県教育委員会も実施しており、平成九年度の調査によりますと、本県公立小中高等学校で発生したいじめの件数は六百五件で、その対応のうち言葉での脅しは百四十三件、たかりは十六件が報告されております。また、いじめとは別に暴力行為を伴う悪質な恐喝についても若干の報告を受けております。このほか、各学校におきましては、実情に応じアンケート調査などを行い、状況の把握に努めておるところであります。  県教育委員会といたしましては、これまでいじめの問題を重要課題と受けとめ、地域ぐるみのいじめ対策の推進等種々の施策を講じてきたところであり、例えば教職員向けのいじめ対策必携、家庭向けのいじめ対策リーフレットを配布し、恐喝、ゆすりを含め、いじめを的確に把握するよう注意を促しておるところであります。  今後とも、家庭や地域社会、警察等の関係機関と連携を図り、問題の早期発見と解決のため適切な対応が取られるよう、さらに指導してまいりたいと考えております。  また、県教育委員会といたしましては、今後必要に応じて、より具体的な実態調査を行うことも考えてまいりたいと思います。  県教育委員会では、平成九年二月、通学区域の弾力的運用について、市町村教育委員会に対しまして通知を出しております。この通知では、地理的な理由や身体的な理由、いじめの対応を理由とする場合のほか、児童生徒等の具体的な事情に即して相当と認める場合は、就学すべき学校の指定の変更や、区域外就学を認めることができる旨定めております。現在、鹿児島市を初め、各市町村教育委員会におきましては、この趣旨に沿った対応がなされていると承知していますが、具体的な取り組み状況については、現在、調査を行っているところであります。  このたびの中央教育審議会では、学校選択の機会を拡大していく観点から、保護者や地域住民の意向に十分配慮し、教育の機会均等に留意しつつ、地域の実情に即した弾力的な運用に努めることが指摘されております。  県教育委員会といたしましては、本答申の趣旨を踏まえ、今後とも通学区域制度の弾力的運用が適切になされるよう、できるだけ速やかに調査結果を取りまとめ、各市町村教育委員会の創意工夫ある取り組みを促してまいりたいと考えております。  奄美大島におきましては、各市町村で相撲場が整備され、これまで多くの優秀な選手が輩出しており、相撲競技の振興が図られている地域であることから、県といたしましては、県総合計画第三期実施計画において、奄美地域に県立相撲場の整備を図ることとしております。相撲場の整備につきましては、設置場所など用地の問題を初め、規模、形態等、研究すべき課題もあることから、現在、県におきましては、他県の相撲場の調査や資料収集等を進めているところであり、今後、関係機関団体等の意見なども聞きながら、設置場所、建設時期等も含め、整備の内容について検討してまいりたいと考えております。    [黒田清信君登壇] 17 ◯黒田清信君 それぞれ答弁をいただきました。  海砂の採取の問題につきましては、代替骨材の開発ということで砕砂とおっしゃいましたかね。岩石を砕いた砂、あるいはシラスの研究が進んでおるようでございますが、実用化へ向けたさらなる取り組み、研究を強く要請をいたしておきたいというふうに思っております。  当選以来、私は吹上浜や屋久島でウミガメ保護のために砂浜をかけ回り、本議会で毎回取り上げていた十年前のことがつい先日のようによみがえってまいるわけでございます。私は、ウミガメは環境問題の一つのシンボルと考えておりまして、動植物にとって住みよい環境こそ人間にとっても住みよい環境ではないだろうかと、このような思いで取り組んできたわけでございます。全国初の条例を制定し、環境保護に尽力していただきました県を初め、多くの関係者の方々に心から敬意を表し、今後のさらなる御尽力に期待をいたす次第でございます。  環境問題自体がそうでありますように、ダイオキシン問題あるいは環境ホルモン対策は、今、緒についたばかりであり不備があるのは当然であります。財政支援を初め、地域住民の立場に立ち、国に要請しながら市町村とともに解決へ向けての不断の努力を要請するものであります。  教育問題についても伺いました。  子供にとって学校は楽しく喜んで行けるところであることが一番であります。しかし、いじめやナイフの問題等少年非行の低年齢化が社会問題となっている今、必ずしも学校はそうはなっていないと思うのであります。全国で実際事件が起こっていることを踏まえ、答弁にもありましたとおり、より具体的な実態調査を実施していただきますよう、再度要請をいたしておきたいと思っております。  通学区域の弾力化につきましては、教育の画一化や硬直化からの脱皮が指摘されている現在、文部省の通達や答申を尊重していただきまして、児童生徒や住民の側に立った文字どおり弾力的な対応をとるべきではないでしょうか。  県立相撲場の建設につきましては、関係者の意見を調整しながら自治体のやる気も考慮に入れて設置場所を選定をされ、早期に実現いたしますようお願いをいたしておきたいと思います。  介護保険問題についても、答弁をいただきました。  戦後最悪の不況の中で、老後への不安は増すばかりであります。個人消費が伸び悩んでいるのは、不況のせいもありますが、国民年金の改正による給付額の引き下げ論があるように、老後の生活への不安が大きく国民の財布のひもを固くしているのであります。  介護保険の懸念される問題については、先ほどるる述べたとおりでありますが、介護制度の先進国であるドイツでは十五年から二十年かけて十分議論し、モデル試行を行い、制度をスタートさせたのであります。私どもは一日も早い充実した介護制度のスタートを望んではおりますが、介護保険制度のあらゆる面で格差が出る危険性は依然として解決されているとは言えず、見切り発車的な制度は見直しが必要であると思っているところであります。  自動販売機でウーロン茶を買う、これまでならプルタブをあけて一気に飲んでいたのに、カタンと出てきた缶をじっと見て、また底をひっくり返して底まで見る。この夏の何とも悲しい後遺症であります。毒物混入事件は、世の中が不景気で先行き不透明で、人の気持ちがうっくつしたものであり、生きることに希望が持てず、自分の命も人の命も大切に思えず、希望より絶望、生より死、拡大より縮小に向かい、それをどうする手だてもない世紀末的な無力感が漂っている、日本はそんな危険な縁に立たされているのでありましょうか。  今、日本は沈みゆくタイタニック号であるとの指摘がありますが、かつては経済大国日本に対するジャパンバッシングが問題になりましたが、今はもうジャパンパッシング、日本飛ばしで、我が国は世界の中でさほど重要な位置は占めてはいないとも言われております。このまま行きますと日本沈没が現実のものになりかねない、極めて危機的状況にあります。このようなときにこそ最高の道徳である政治が、政治家が、この国家的危機から脱却するための努力をすべきであり、我々の日本を断じて沈没させてはなりません。地方議員と言えども、我々の使命と責任は、実に重いということを改めて痛感させられたこの夏でありました。  以上で、公明としての一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 18 ◯議長(溝口宏二君)次は、吉永守夫君に発言を許可いたします。    [吉永守夫君登壇](拍手) 19 ◯吉永守夫君 日本会議を代表して一般質問を行います。  まず最初に、農業基本法問題についてであります。  二十一世紀の日本農業の指針となる新農業基本法の制定に向けての食料・農業・農村基本問題調査会の答申に、農業関係者はもとより、国民全体が大きな関心を持つ中で、去る九月十七日に答申がなされたところであります。提言の評価は、それぞれの立場で異なりはするものの、一応に一定の評価はできるとしているようであります。もちろん調査は、首相の諮問機関として昨年四月、各界各層の代表三十五人で、農政改革の方向を論議されたものであります。最終答申の骨子は六項目に集約され、五年ごとに見直しをするというものであります。  ところが、今回、調査会から答申がなされたばかりで、法整備に向けて左右に解釈される学者的発想とまとめになっている、すなわち委員の中にも強烈に市場原理導入を主張する者、最初に株式会社の土地取得ありきの強行論を背景に集約されたもので、農村社会集落の破壊、喪失に拍車をかけるであろう株式会社の土地取得に条件つきながらそれを容認している点など、農業の立場、さらには農村集落の保全、我が国の農地、国土を守るという観点からも再考を要すると痛感するものであります。  もちろん東京大学名誉教授で基本問題調査会の木村尚三郎会長も言っておられるように、国民が安全で安心して生きられる食料確保と真の豊かさの追求を基本に、美しく住みよい農村空間の創造を目的とした画期的な新農基法が制定されるべきであります。  しかし、残念ながら経済や規制緩和を主眼とした市場原理導入と農業の多面的機能、公益性の主張が激突し、激論の産物として玉虫色の答申となっていると酷評している人も少なくないようであります。  また、今や世界の動きは市場原理でなく、環境保全型農業を目指し、フランスの新農基法でも農業の多面的機能に報酬を支払う画期的な直接所得補償の導入を打ち出して、次期世界貿易機関、WTO農業交渉で農政の政策転換を主張する予定とされているのであります。  いたずらに利潤追求の市場原理優先でなく、多面的機能、公益性重視の新農基法が制定されることを強く望む立場から、次の二点についてお尋ねをいたします。  知事は、今回の答申をどう評価しておられるか。また、法制定に向けて、農業県鹿児島の声を、さらに大きく主張していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、猿害対策についてお尋ねをいたします。  猿害対策については、平成七年第三回定例議会において、農作物の被害の実態を具体的に報告しながら、その対策を急ぐべき必要があることを強く訴え、当時の土屋知事も有害鳥獣駆除に対する助成や電気さく等で効果が実証されているので、今後、野生猿など総合防除対策事業の事業費枠を大幅に拡大をして、電気さく等を早急に整備をすると答弁をしておられます。  ところが、その整備も遅々として進まず、鹿屋地区でも山手を中心にその被害は年々拡大の一途をたどっているのであります。  鹿児島県は、高隈山系、国見山系、紫尾山系、屋久島に野生猿の生息域があり、周辺の農地は毎年大きな被害が出ているはずであります。人里や田畑に出る野生猿は、農作物を荒らす害獣として駆除対象となっているものの、猿害は後を絶たない現状であります。  学説的には、野生の猿は、えさの少ない冬場のえさの量で猿口が決まり、やたらにふえるものではないそうでありますが、今日では、猿が人工のえさ、すなわち農作物に手を出すことで繁殖し、さらに猿害がふえるという悪循環に陥っているのが現状であります。  この悪循環を絶たない限り、猿害は増幅するばかりで、害獣駆除という従来の対策では根本的な解決に至らないことを、現状が証明しているのであります。  そこで、考えられる抜本的な対策は、猿の古巣であるそれぞれの山系へ猿を帰す以外に解決の道はない。すなわち人間と猿との住み分けを明確にした共生の道を探り、つまりそれぞれの山に猿のえさとなるものを植栽し、電気さく等敷設して総合対策を樹立し、一刻も早く猿害防除が完結するよう強く望むものでありますが、知事の見解を求めるものであります。  次に、堆肥銀行構想の進捗状況について伺います。  悪臭と地下水汚染に対する関心が高まる中、畜産農家の環境整備と環境保全型農業を推進する上で、良質堆肥の確保対策は、喫緊にして重要な課題となってまいりました。  幸い現行農業基本法を見直し、新しい農政の総合的な方向を検討してきた食料・農業・農村基本問題調査会の答申の中でも、環境負荷の少ない農業を目指すという方向が明記されております。すなわち環境保全型農業の推進が新農基法に明記されることを意味しているわけであります。  これらの農業の方向は、環境保全型農業、あるいは循環型持続的農業の確立にあることは明らかであります。本県農業の活性化と発展の上からも、環境保全型農業の推進は急務と思料いたします。  もとより環境保全型農業の推進には、良質の堆肥の安定供給が基本であります。幸い本県は、自他ともに認める畜産王国であり、畜産廃棄物を中心に流出堆肥の素材には事欠きません。  問題は、堆肥化センターの設置とそのネットワークであります。県では一昨年から各地の堆肥化センターを連携して、県内一円同質の安定した堆肥を供給することを目的とした堆肥銀行構想を進めておられます。現在の進捗状況と今後の方向について御説明をいただきたいことと、鹿屋市が計画中の堆肥化センターが、同構想の中で、どのような位置づけになり、どうつながっていくのか、あわせて御説明をいただきたいと存じます。  さらに、県内の堆肥化センターで良質の堆肥ができていない現状に対して、指導あるいはフォローをして、全般的に畜産と子牛の循環体系が完結するよう、全力を傾注する必要を痛感する一人でありますが、知事の見解を求めるものであります。  次に、畑作振興の基本技術としての紙マルチの開発について伺います。  南九州の畑作を考えるときに、カンショ作は極めて重要な作物であります。しかしながら、でん粉原料としてのカンショ価格は据え置かれ、一層のコスト削減が求められております。カンショ作には、雑草対策として、ビニールマルチはもはや必要不可決のものとなっております。  ところが、このビニールマルチが問題とされているのは、収穫時にこれを取り除く労力が大変なことと、廃棄物処理をする際にもダイオキシン問題が生じることであります。  そこで、収穫時に土にすき込み、土に返す紙マルチが開発されると、カンショ作のコスト削減に極めて有効だと言われています。紙マルチに微量沃素をしみ込ませ、土壌改良の効果を加え、さらに土壌線虫駆除や忌避の効果を加えると、カンショ作農家にとって大いなる福音であります。もちろんそのことはカンショだけでなく、タバコや園芸など南九州の畑作全般にわたって紙マルチの有効性は極めて大きいものと思料いたします。  しかるに作物ごとに専用の紙マルチを農業技術と紙技術の連携・協調によって技術の開発を推進することは、二十一世紀の日本農業、本県農業の方向として緊急の課題と心得ますが、いかがでしょうか。  ところが、現在使用されている紙マルチは、ビニールの四、五倍の値段になると言われておりますが、技術開発によるコストダウンや省力、土壌改良、線虫駆除効果等を考慮し、付加価値を高めることは、農業の環境対策上からも避けて通れない問題であり、採算ベースに乗る時代ではなかろうかと言われております。  アジアの農業は雑草との戦いとも言われております。紙マルチ技術の開発は、アジアの畑作農業の潜在需要を考慮に入れると、将来の日本の輸出競争力につながり、国力増進を図ることになります。すなわち紙マルチの実用化に向けた動きと取り組みが重要になると思われます。  そこで二点についてお伺いいたします。紙マルチの技術と取り組み状況について。さらに、二点目は、環境保全と畑作振興の見地から積極的に推進すべきと思いますが、知事の見解を求めるものであります。  次に、畜産振興の中で肥育牛価格安定対策事業の拡充・強化について。  本県農業の基幹産業としての畜産振興については、鋭意御努力を願い、黒牛・黒豚を中心に畜産王国鹿児島を築き、誇れる先見性を高く評価し、その労を多とするものであります。  特に本年度から全国に先駆けて県単独事業を創設されたことは、まことに畜産県鹿児島ならではの画期的な発想であり、須賀県政の目玉として高く評価をするものであります。  幸い国も平成十年度より本事業を評価、創設され、地域肉用牛肥育経営安定対策事業をスタートさせ、肥育牛農家の経営安定が図られることは、畜産振興の上から極めて喜ばしい限りであります。  今さら申すまでもなく、畜産、特に肉用牛、養豚振興の原点は、肥育農家を育てることであります。肥育農家の経営の安定と向上こそ畜産振興発展の源であると確信をするがゆえに、本事業を評価し、事業の拡充・強化を望むものであります。  実は、手前みそになりますが、私が市会議員時代、同様の主張を強調し、当時の市の畜産課長や市長も賛同していただき、肥育農家の素牛導入時の金利軽減を図るため、一頭当たり一万四千円の補助事業を創設し、年間六百頭分を予算化していただき、約十年間の長期にわたり、肥育農家の経営安定と畜産振興を図った経緯があります。ゆえに本事業の意義を評価するものであります。  ところが、本事業の内容は、肥育牛の売却による推定所得が肥育農家の労働費を下回った場合、その割り込んだ程度に応じて四半期ごとに四段階に分けて定額、すなわち一頭当たり肉専用種で最高四万円、その他の品種で最高二万円を交付するというものであるにもかかわらず、基金造成に当たって、国が十分の五、すなわち二分の一、県が十分の一、生産者等が十分の四を負担し積み立てを行う仕組みとなっております。  県の単独事業として創設された趣旨と背景を考えると、改めて国の二分の一、生産者と同額ぐらいの積み立てをするぐらいの理解と決断が求められるものと感じますが、いかがでしょうか。  畜産県鹿児島をより大きく発展せしめる基本、原点は肥育農家の育成・強化であること。その認識をさらに新たにされまして、財政当局とされても本制度の拡充・強化に向けて、一層の理解と支援を求めるものでありますが、知事の所見を伺いたいと思います。  次に、クローン牛研究の成果と問題点についてであります。  県肉用牛改良研究所と茨城県筑波市の農林水産省畜産試験場は、クローン牛の共同研究を始め、一例目の子牛が、去る七月二十四日誕生し、日浅くして死亡させました。二例目の子牛「隼人」が八月二十四日に誕生して、元気に成育しているとの説明がございました。健やかな成長を願いたいと同時に、個々の農家へ実用化ができる日の早からんことを願う一人であります。  ところが、先般の農業新聞によりますと、約七〇%が死産か早産、あるいは生後わずかな時間に死亡している現状が報告されておりました。  研究の過程というやむを得ない一面も理解はできるものの、肉質改良という観点からも極めて大きな期待が寄せられているところであります。それだけに、研究促進に大きな関心を持つ一人であります。  そこで、死亡の原因は何か。そして実用化に向けての今後の取り組みについて、お聞かせをいただきたいと思います。  次に、警察行政でございますが、暴力団の最近の動向についての取り締まり問題についてであります。  本題に入ります前に、小野次郎さんの県警本部長就任を心からお喜びを申し上げます。おめでとうございます。  前任者の堀本部長もユーモアがあり、ユニークな発想をなさる方で、短い期間ながら数々の実績を残された方ではなかったかと思います。どうか小野本部長も若さを発揮しつつ、県民に信頼される警察づくりに敏腕を振るわれんことを切望しながら、通告に従い、質問をいたしたいと存じます。  新聞報道によりますと、九月の初めに、国分市内において暴力団員等による対立組織の者が居住していた民家への猟銃発砲事件、また、県外暴力団と県内暴力団の対立抗争の動きと、これら暴力団が最近の不況に絡み、金融不良債権等に資金源を求め、架空リースの詐欺事件などにも関与とあるが、本県における暴力団の資金源活動の現況と、これらに対する取り締まり状況について伺いたいと思います。  次に、県民健康プラザの問題についてお尋ねをいたします。  県民健康プラザについては、近年の高齢社会の進展に伴い、健康増進センターと健康づくり医療センターを一体的に整備し、あわせて鹿屋体育大学との連携に努めることなど、保健と医療の複合的な機能を集積して、県民の健康づくりを支援しようとするものであり、平成七年に基本構想が策定されたものであります。  もちろん健康づくり医療センターは、地域の中核的病院として、民間医療機関での対応が困難な高度医療を担うことも予定されており、地元住民の期待は大きいものがあります。それだけに一日も早い完成を望むものでありますが、今後の整備スケジュールについて伺いたいと思います。    [知事須賀龍郎君登壇] 20 ◯知事(須賀龍郎君)食料・農業・農村基本問題調査会の最終答申は、中間取りまとめで両論併記となっておりました主要な論点を含めまして、その他の項目につきましても、これまでの本県の要望におおむね沿ったものとなっておりまして、基本的な方向としては評価できるものと考えております。  また、答申におきましては、市場原理の活用と農業経営の安定につきましては、価格政策に市場原理を一層活用する場合、農産物の価格政策の見直しに応じて、価格低落時の経営の影響を緩和するための所得確保対策を講じていくべきこと。  また、農業・農村の有する多面的機能の重視については、農業・農村の有する国土、環境保全、緑、景観の提供等の多面的機能が十分に発揮されるよう、食料・農業・農村政策の各施策を実施することは必要であることなどとしておりまして、これらについては、今後、政府・与党間におきまして、新たな農業基本法の取りまとめに向けました検討が進められますので、この内容が明らかになってくると考えております。  その今後の動向等も十分注意深く見守りながら、必要に応じて国に要望するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
     次は、野猿の生息地域と農地の住み分けを行います野猿用電気さくの整備は、現時点におきましては、最も確実な猿害防止対策であるとされておりますことから、県単事業の充実や国の補助制度の活用を図りながら、屋久島におきまして、百四十四キロメートルの整備を実施してまいりましたのを初め、これまでに県下で百五十五キロメートルを整備してきているところであります。  今後とも野猿の被害発生状況の的確な把握に努めますとともに、各種事業の活用によります電気さく等の導入や有害鳥獣駆除対策などにつきまして、地元の意向も踏まえながら、農作物被害の防止対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、人間と猿との共生を図るための植物の植栽につきましては、他県でそのような取り組みを行っている事例もあると聞いておりますので、今後、その内容等につきましても調査をしてみたいと考えております。  次は、紙マルチは、ポリマルチにかわるものとして民間企業におきまして開発が進められているところでありますが、県では、これらの紙マルチにつきましては、青果用サツマイモ等で、資材の耐久性や収穫、品質に及ぼす影響等について試験を実施しているところであります。  これまでの試験結果によりますと、紙マルチは、土壌微生物によって容易に分解されるなど、環境保全の観点からは一定の評価はできますものの、水分保持などマルチ資材としての機能が、まだ不十分であることや、県内の農家が試験的に導入した結果を見ましても、耐久性等に難点があるなど、実用されて普及する段階に至ってないところであります。  県といたしましては、今後、さらに民間企業における紙マルチの開発状況にあわせまして、普及に向けた実証試験など側面的な支援を通じまして、実用化が促進されるように努めてまいりたいと考えております。 21 ◯農政部長(脇田 稔君)堆肥銀行につきましては、広域農協単位に設置することとしまして、平成九年度指宿地区と出水地区に、今年度曽於地区と肝属地区で発足いたしておりますが、今後、他の市郡にも整備していきたいと考えております。  また、堆肥銀行間の需給調整や全県域での良質堆肥の流通を促進します県高品質堆肥利用促進センターは、昨年六月、県経済連に発足させたところでございます。  なお、鹿屋市に整備を進めております堆肥センターは、鹿児島きもつき農協の堆肥銀行構想の核となる施設として位置づけ、今後、子牛農家の必要とする良質堆肥を生産していくことといたしております。  また、良質堆肥の流通を促進するためには、作物に応じた低価格で均質な良質堆肥を生産することが肝要でありますことから、試験場、専門技術員、経済連の専門職員から成ります県高品質堆肥利用促進センターの指導班の活動を強化しまして、畜産部門と子牛部門との連携のもとに、良質堆肥の生産体制を確立して、健全な土づくりを推進してまいりたいと考えております。  平成十年度当初予算におきまして、肥育経営の安定を図るため、県単独の肥育牛価格安定制度を創設する一方で、生産者負担の軽減や制度の充実を図るため、国に対しましても、これに対する支援を強く要請してきました結果、国におきまして、新たに地域肉用牛肥育経営安定対策事業が創設をされました。  この事業では、国が事業費の二分の一を負担することから、基金総額が四億五千万円から九億円に増加し、補てん限度額が一万五千円から最高四万円に引き上げられ、対象品種及び頭数の拡大により、三万頭が五万五千頭になることに加えまして、生産者等の負担が肉専用種で一万二千円が八千円に減額されるなど、本県の意向も十分含んだ上で、事業内容の充実が実現したところでありますので、県としましては、この制度を活用することで肥育農家の経営安定に努めてまいりたいと考えております。  クローン牛につきましては、これまでに全国で十六頭が出生、または死産し、そのうち今日まで生存しているのは七頭と承知をいたしておりますが、流産、死産、過大児、異常産の例が多く、正常に発育するものが少ないことなどもあり、それぞれの原因究明を初め、クローン技術の実用化には解決すべきさまざまな課題があると承知をいたしております。  県としましては、国の畜産試験場と連携を図りながら、クローン技術の確立に向けた取り組みを進めておりますが、今後もクローン牛の誕生が県内で相当数予定されておりますので、引き続き例数を重ねながら、生まれた子牛の遺伝的形質の相似性や発育、繁殖能力等のデータを蓄積し、あわせて学会等の学術的な研究成果も参考にしつつ、クローン技術の確立に努めてまいりたいと考えております。 22 ◯警察本部長(小野次郎君)国分市における猟銃発砲事件につきましては、事件認知直後から警戒体制を取るとともに、早期に被疑者二人を逮捕したことから、当面抗争事件に発展するおそれは少ないものと判断いたしております。  しかしながら、近年、山口組を初めとする県外暴力団の県内進出は顕著になっておりまして、資金獲得をめぐる争いから対立抗争がいつ発生するか、予断を許さない状況にあることから、引き続き視察、取り締まりを強化してまいりたいと考えております。  次に、暴力団の資金源活動についてでありますが、暴力団は、正義を装った事業や債権取り立て等、あらゆる資金源活動を行っておりまして、現下の経済状況においてもかかる活動はかえって拡大し、もしくは深く潜行化することが懸念されております。  県警では、ことしに入ってから、暴力団が介在した架空リース契約メーカーの多額詐欺事件や、パチンコ裏ROM使用の詐欺事件などを検挙いたしております。  しかし、暴力団などの組織犯罪につきましては、犯罪により得た収益のかなりの部分について、その出所を不明にして、通常の社会経済活動においても使用できるようにする、いわゆるマネーロンダリングが行われているものと見られております。  結果として、こうした不法収益に対して十分な取り締まりの効果が上がっていないために、彼らの組織的違法行為の反復・拡大を許すことにもつながっていると認識いたしております。  したがいまして、県警としては、今後、暴力団の資金源犯罪につきましては、単に個々の犯人を検挙するにとどまらず、不法行為等により得たいわゆる汚れた金の実態を解明し、犯罪摘発とあわせて没収規定や課税通報措置の積極的活用などによりまして、組織犯罪の資金源を絶つ捜査手法を強力に推進して、御期待にこたえてまいりたいと考えております。 23 ◯保健福祉部長(矢島鉄也君)県民健康プラザのうち健康づくり医療センターにつきましては、去る七月十四日、建築工事に着手したところでありますが、工事着手に先立ち、地元鹿屋市医師会との協議や地元住民への説明会を開催したところ、地元医師会から救急医療への積極的な取り組みについての要望や、展望浴室よりも病棟の浴室充実の必要性について意見が出されたところであります。  また、地元住民からは、砂ぼこりの防止や交通安全対策等についての要望がなされました。  県といたしましては、交通安全対策等について十分配慮しながら工事を進めることはもとより、地元医師会や地元住民からの要望等も十分踏まえながら、平成十二年度中の運営開始を目指して、計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。    [吉永守夫君登壇] 24 ◯吉永守夫君 それぞれ御答弁をいただきましたが、大変力強い知事の御答弁もいただいて、ありがたく思っております。  ただ、新農基法の中で、私は特にお願いを申し上げておきたいのは、やはり市場原理だけが先行して、株式会社に土地を認めると、こういうことは、必ずいつしか農村集落の破壊につながっていくんじゃないかと、こういうふうに考えますから、農村県鹿児島の知事として、今後とも強く要請をしていただきたい。法整備に向かって要請をしていただかない限り、法が制定されてからは、どうにも間に合わないわけでありますから、その辺をぜひとも強調してほしいと、こういうことをお願い申し上げておきたいと思います。  猿害対策についても、県下屋久島、あるいは県下全体で百五十キロですか、電気さくをしていただいておると、こういうことでありますが、内之浦の大浦町でも、それが非常に実施をされておると、こういうことでございますので、ぜひとも強力な取り組みをお願いしたいと思います。  正直言って、鹿屋なんかも、もう猿がいっぱい出てきて、もうどうにもならんとですよ。本当にカライモをつくっておれば全部猿でやられて、もうやる気はありませんと、こういうのが農家の偽らざる気持ちでございますから、ぜひとも早急な取り組みをお願い申し上げたいと思います。  それから、農地銀行の問題にしても、あるいは紙マルチの問題にしても、どうしてもこれからの二十一世紀の農業を考える際に、避けて通れない問題だと思いますから、さらに強力な推進をしていただきたい。  それから、肥育牛の安定事業についてでありますが、確かに鹿児島県が、その取り組みを発表されてから国も同調されたと、こういうことでありまして、非常に先見性を高く評価をするものでありますが、何といっても、この制度を少しでもやっぱり改善をしていっていただきたい。基金を積み立てをする際に、国が二分の一、そしてまた、農家等が十分の四、鹿児島県が十分の一ということでは、もうちょっとこの制度をおつくりになった趣旨、あるいは背景から考えて、ちょっと力が足りんのじゃないかなあと、こういうふうに思いますから、ぜひともこのことについては、さらに拡充される方向で検討いただきたい。お願い申し上げておきたいと思います。  クローンの問題については、さらに研究していただく以外になかろうと思っておりますから終わりますが、時間の関係もございますので、順序を変えて質問をすることをお許しいただきたいと思います。  ため池整備による大災害の未然防止について質問をさせていただきます。  平成九年七月十日午前零時四十九分ごろ、出水市境町針原地区で発生した土石流災害は、住家の全壊十八棟を初め、非住家十一棟など三十五棟の損壊や、農業施設二十二カ所、農地・農作物等の被害は言うに及ばず、最も残念で取り返しのつかぬ大惨事は、男性六人、女性十五人、計二十一名のとうとい命を奪ったとても悲惨な残酷な現実であります。  知らせを受けた須賀知事も、わずか二、三時間後には現地に入り、どろどろした土石流の中に胸まで入り現地視察・調査をなされたと聴聞し、我が身を顧みずの勇敢な献身ぶりに深く感じ入ったものでございました。  当時、国会関係者も、建設大臣を初め地元国会議員や参議院災害対策特別委員会委員の方々の現地調査などもいただき、知事を先頭に、関係者、すなわち地元住民はもとより、消防、警察、自衛隊などなど延べ二千二百十六名もの方々の救助活動を初め、五十億近い復旧費に、短時間に農地や家屋や生活環境は以前よりもはるかに整備が進み、再び災害を引き起こさないための修復がなされたことに対し、改めて関係者の努力に深く敬意を表するものであります。  ところが、二十一名のとうとい人命を失われた方々には、残念ながらいかなる強大な政治力、行政の力をもってしても、二度と再びこの世に返ることはないのであります。  関係者、県民すべてがこれら悲惨な現実を直視し、防災の意識高揚を図りつつ、万事に対処すべきであることを強調しながら、質問の核心に入らさせていただきたいと存じます。  ところで、当地鹿屋市横山町には、横山原台地の水田用水地として二つの巨大な池があります。  第一の池は、一七六〇年(宝暦十年)に完成し、一九五〇年(昭和二十五年)に一部改修がなされているのであります。ため池周長が約二百八十メートル、深さオーバーフロー値で三・五メートル、天底位置で五メートル、貯水量はそれぞれ二万千五百立方メートルと一万五千立方メートルであります。  第二の池は、一九三四年(昭和九年)に完成し、周長が二百五十メートル、貯水量は、天底位置で一万二千五百立方メートル、オーバーフロー値で九千五百立方メートルであります。  すなわち、第一、第二、それぞれの池が既に築後六十三年から二百三十七年経過しており、老朽化が進み、随所に漏水箇所が散見され、危険な状態であるのみならず、既に決壊、崩落して災害復旧を依頼している場所もあります。  私も町内会長さんや地域の方々に現地調査を依頼され、本年四月半ばに現地実情を見聞し、これはただごとではない。一たん緩急有事あらば、出水の針原の惨事をはるかに越える大惨事が起こるであろうことを痛感し、背筋が冷たくなる思いがいたしたぐらいであります。  よって、早速、市、県、それぞれの所管課と思われる土地改良、耕地事務所の所長、課長さんたちに現地調査をしていただき、対策を検討していただいているところではありますが、ここ横山町は台地であり、何キロも離れた場所でないと川のない地区であります。  昔は何千町という広大な平野であったのかもしれません。今でこそ米余りで減反奨励金を出す昨今でありますが、当時、我が国は、瑞穂の国、開田は富豪の手形にあったに相違なく、二百五十年前の先祖たちが裏山からのわき水や雨水をため、広大な平野、横山原台地に開田を思い立ち、上流に想像を絶するほどの巨大なため池を建造しているのであります。  今日のように文明の利器、ブルドーザーやダンプカーがあったわけではなく、すべて人力であったはずであります。戦後の食糧難事に一部改修された当時出役された方も現存され、当時の苦労話を聴聞し、その労苦が想像できるだけにいたく感じ入っているところであります。  第二の池が建造された昭和九年と言えば、日清・日露戦争勃発寸前であります。食糧増産こそ我が命、国家的使命の時代であったはずであり、二百五十年前と六十三年前の戦争、先輩たちのにじむような血と汗と涙の結晶であったはずであります。  ところが、横山地区は市街地まで十分か十五分の地で、居住環境としては最適の地であるのみでなく、米余りという時代背景も重なり、池から一キロ以内に二百戸を超す住家が建築され、五百メートル以内だけでも八十戸の住家に約百五十名の方々が居住されているのであります。  ちなみに水田用水、畑地かんがい用水として築造されたため池も、用途が大きく変わり、転作面積一・四ヘクタールを含めて、わずか二・五ヘクタールの水田用水から、有事の際の防火用水と変わってきているのであります。  前述いたしましたとおり、両池の天底位置、つまり満水時は三万四千立方メートルの貯水が可能であり、計算どおりとすると、初期消火に威力を発揮している大型タンク車の八千五百台分たまる計算になります。池の流域面積が広大であるのみでなく、上流には霧島ケ丘公園あり、公園の駐車場あり、大雨時には一挙に満水になることが予想できる場所であります。  八月末の茨城、水戸、東北方面に大きな災害をもたらした台風四号時の大雨も、少ないときや地域でも時間雨量が五十から六十ミリ、多雨の地域では九十九ミリという報道がなされており、多くの人命を失ったばかりでなく、各地で甚大な被害を残したことは、まさに昨日の出来事のように生々しく脳裏に焼きついているところであります。  幸い、今年は本県は台風や大雨もなく、県民ひとしく安堵されているはずであります。  ところが、来年の天候は、災害を予測できる人は、この世に一人も存在しないということであります。もちろん出水の針原の大惨事も、何十年、何百年と住みなれた方々でも、また、あす、あるいは一週間後の予報は、正確・信頼が高くなった気象庁の予報官といえども、あの大災害は予測できなかったわけであります。それだけに防災意識の高揚と事前の対策が強く強く要求されるところであります。  先ほど申し上げましたように多くの住民が住んでおられます。老朽化して、随所に崩落や漏水が散見され、素人の私でさえも危険、大惨事が予想できるのであります。  針原の惨事は、知事を初めだれ一人として予測できた人はおりませんが、針原の惨事をはるかに越えるであろう大惨事が予測できる横山の二つの池の改修、補修は緊急を要するものと心得ます。  できれば知事御自身が、本定例議会終了後でも結構であります。直接現地を調査・検討していただき、制度上の難点を語る行政のあり方でなく、大惨事・大災害を未然に防止する防災行政への転換こそ経費節減であり、地方分権が叫ばれる今日、一定の規制は必要にしても、ケース・バイ・ケースで柔軟・適切な対応が求められる時代ではないでしょうか。  いずれにしても、横山の池の対策は極めて緊急を要する重大な問題として、迅速に対処されることを強く望むものでありますが、知事の御所見を伺いたいと思います。  次に、鹿屋港の整備問題について伺いたいと思います。  鹿屋港整備問題については、平成七年第三回定例議会と平成九年の第三回定例議会において質問し、平成七年時の答弁では、鹿屋港の開発・整備のためのマスタープランを策定するため、来年度、すなわち八年度に国県及び鹿屋市と共同調査の実施について国と協議していく旨の答弁がなされ、平成九年時の答弁では、六月総務庁から、鹿屋アルコール工場の再編整備が勧告されたため、同工場の動向が判明するまで、平成十年度は鹿屋港の整備を休止するという判断がなされたが、鹿屋港につきましては、平成八年度に実施いたしました鹿屋港沿岸域交流基盤計画調査におきまして、貨物船埠頭、小型船だまり、つまり埠頭等の整備構想を策定されたところでありますが、平成十一年度も新規事業の採択は大変厳しい状況が予想されるが、地元の要望等も踏まえながら、必要な措置が講じられるよう、国に対して強く要請をしていく旨の答弁がなされております。  そこで、その後、国に対してどのような要請をしていただき、現段階でどのような状況になっているかお伺いをいたします。  アルコール工場の問題については、平成九年第三回定例議会で質問した際の答弁で、総務庁が行政監察を実施し、効率の悪い工場の再編整理を推進するよう通産省に勧告しているが、アルコール工場の存続につきましては、非常に厳しい状況にあると聞いております。県といたしましては、鹿屋港の整備とも関係がありますので、地元との連携を取りながら工場が存続されるよう、関係機関に対して要望を行っていく旨の答弁をいただいております。  そこで、いろいろ申し上げたいわけでありますが、時間がございませんので、その後どのような方向に進んでいるか。このことについてお伺いをして、二回目の質問とさせていただきます。    [知事須賀龍郎君登壇] 25 ◯知事(須賀龍郎君)人命、人家、公共施設等に影響を及ぼす災害の発生するおそれの高い農業用のため池の改修、または補強工事は、危険ため池緊急整備事業で実施できることになっております。  県内におきましても、この事業によりまして、ため池の改修を行った事例もございますし、必要なものにつきましては、防災対策の見地から、県といたしましては、積極的に対応してきているところであります。  御指摘のありました横山池につきましては、この事業の適用は可能であると考えておりますが、地元鹿屋市の意向も十分お伺いした上で、これは事業申請があれば、積極的に対応してまいりたいと考えております。  次は、アルコール専売事業につきましては、総務庁が行政監察を実施いたしまして、その結果に基づきまして、平成九年六月に鹿屋工場など生産性が低く、原料、製品の輸送、流通の面で非効率となっている工場を中心といたしまして、アルコール製造工場の再編整備を推進するよう、通産省に対しまして勧告が行われたところであります。  また、国の行政改革会議におきましても、アルコール専売制度の民営化が指摘をされているところであります。  県といたしましては、地域の経済や雇用に及ぼします影響等も考えまして、地元の鹿屋市などと連携をいたしまして、鹿屋工場が存続されますように、昨年十一月にも新エネルギー産業技術総合開発機構並びに政府関係機関に対しまして要望を行ってきたところであります。  ただ、そういう中におきまして、新エネルギー産業技術総合開発機構からは、関東周辺では、製品が一キロリットル七万五千円から八万三千円の製造コストとなっておりますけれども、鹿屋工場は十二万円と、かなり高コストとなっておりまして、行政監察による勧告も踏まえますと、存続につきましては大変厳しいという状況にあります。  なお、今後、国に対しましては、この工場の存廃も含めまして、何らかの対応ができないか、地元とも連携をしながら、国の方に要請をしてまいりたいと考えております。 26 ◯土木部長(板垣 治君)鹿屋港の整備計画についてでございますが、鹿屋港では、新エネルギー産業技術総合開発機構、通称NEDOの鹿屋アルコール工場における事業拡大計画を前提とした貨物船埠頭の整備を、平成十年度から計画していましたが、総務庁から同工場の再編整理の勧告がなされたため、その動向が判明するまでの間、鹿屋港の整備を休止するという判断がなされたものであります。  今後の整備につきましては、同工場の動向や地元の要望などを踏まえながら、国に対して必要な措置が講じられるよう要請してまいりたいと考えております。    [吉永守夫君登壇] 27 ◯吉永守夫君 それぞれ御答弁をいただきました。  アルコール工場の問題についても、今、知事の方からお話がありましたように、鹿屋は大体十二万円かかる。そして既に改善をされている施設では七万五千円かかるということを、私も昨年の九月議会で調査をしてわかっておりますが、それは鹿屋のアルコール工場も他の工場と同等に整備をすれば、それ以上安くで上がると、こういうことを申しておるわけですから、できれば、財革法が、今、休止というんでしょうか、凍結をされているわけでありますから、ぜひともアルコール工場が必ず何とかなるように、さらに強く国にも要請をしていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  それから、鹿屋港の問題についても、今、土木部長からお話がありましたけれども、とにかく漁業者の船と遊漁船とのつなぎ場が不十分なために、実は昨日夜、聞いた話でありますが、遊漁船は入ってくるなというロープが張られているとか。  そういうことで、非常にトラブルが発生をしているわけでありますから、そういうことができるだけ早目に解消ができるように整備を進めていただきたい、こういうことを強くお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、横山の池の問題については、重要性を知事自身も十分察知をしていただいて、ありがたいことだと思いますが、鹿屋市が、当然これは鹿屋市も調査もしておりますから、何らかの形ですぐ申請をしてくれるものだと思いますが、私は、これだけ危険が予想されるわけでありますから、出水の針原の結果も十分それぞれが体にしみておられるわけですから、ぜひそういうことにならないように、事前に防災の措置を講じていただきたいことを強くお願いを申し上げるところであります。  それから、先ほど県民健康プラザの問題についても、今どんどんどんどん進めていただいておって、ありがたいことだと思うんですが、私は、前にも申し上げましたように、今までの議会で何回か申し上げてきておりますが、今回の場合もそうだと思います。  実は、せっかく地元で行われるああいう事業でございますから、地元業者が最優先して仕事ができるような配慮をしていただきたい、こういうことをかねがね申し上げてきておったわけです。  これから健康増進センター等が、さらに発注をされる時期が来るだろうと思いますけれども、ぜひ地元業者が優先して仕事ができるような配慮を、特にお願いを申し上げておきたいと思います。  以上、新農基法の問題から猿害対策、二十一世紀は、環境保全型農業の構築の上から、堆肥銀行の持つ意義と紙マルチの技術開発・推進の問題、畜産振興から警察行政、さらに地域開発に直接かかわりを持つ鹿屋港の整備とアルコール工場存続の問題、予想される大災害・大惨事を未然に防止するためのため池補強整備の問題などなど、県にとって、また鹿屋市にとって緊急な課題として、住民の切実な生の声を代弁していると同時に、私自身かくあるべしと、確固たる信念のもとに申し上げておりますので、知事初め当局とされましても真摯に受けとめていただき、誠意のある対応をしていただくよう強く強く要請をいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 28 ◯議長(溝口宏二君)ここで休憩いたします。  再開は、午後一時三十分からといたします。         午後零時十二分休憩       ─────────────         午後一時三十分開議 29 ◯議長(溝口宏二君)再開いたします。  祝迫かつ子君に発言を許可いたします。    [祝迫かつ子君登壇](拍手) 30 ◯祝迫かつ子君 去る七月に行われた参議院選挙は自民党の惨敗、民主党と日本共産党の躍進という結果となりました。衆議院での自民党の多数はまさに虚構の多数であり、我が党は解散総選挙を行って、衆議院でも国民の意思が反映されるような国会にせよということを強く要求しているところであります。  知事にお伺いいたしますが、知事は今回の参議院選挙で、なぜ自民党が大敗北を喫したと考えておられるか、明らかにしてください。  参議院選挙では、当面の緊急課題として景気対策が最大の争点となったことは明らかであります。ある新聞は三十兆円の銀行応援団か、消費税三%で庶民の見方かという日本共産党の問題提起は、今度の選挙全体の対立軸をつくったと論説に書きましたが、まさに国民が出した答えは明瞭であります。選挙の結果を厳粛に受けとめ、真に景気回復を望むのであれば、消費税の減税を政府に強く要求すべきでありますが、いかがでしょうか。消費税を三%に戻した場合、我が党の試算では県内で約五百億円の新たな購買力を生み出すこととなりますが、知事の試算ではどうなるのか。このことについてもお示しいただきたいのであります。  今回の五百億円を超える補正予算の大半は、相変わらず公共事業費であり、景気対策というのは公共事業しかないような力の入れようであります。知事は消費税の引き下げが、景気対策になるとお考えであるかどうか、このことについて、はっきりと御答弁していただきたいのであります。  次に、日米共同演習についてお尋ねいたします。  新ガイドラインでは、日米共同訓練の強化をはっきりとうたっており、九州で初めての米海兵隊との共同軍事訓練は紛れもなく新ガイドラインに沿ったものであります。我が党はこの問題が報道された直後に知事に対してきっぱりと反対するよう申し入れを行いました。アメリカ国防長官がみずから述べていたように、海兵隊は決して日本を守るための軍隊ではありません。まさに攻撃の第一線で殴り込みをかける実践部隊であります。海兵隊との共同訓練は、必然的に外国を攻撃するための訓練とならざるを得ず、憲法違反であると言わざるを得ません。  そこで、お尋ねいたしますが、知事は米海兵隊とはどのような任務を持つ軍隊であると認識しておられるのか、明らかにしてください。また、知事はこの共同訓練に関し県議会の御意見も承りながら適切に対応していきたいと述べておられますが、議会の意見をどのような形で聞こうとしているのか、お示しいただきたいのであります。  海兵隊による民間空港利用については、どの空港かは明らかにされていないとのことですが、鹿児島空港の使用は認めないよう政府にきっぱりと要求すべきであります。さらに鹿児島港など民間港の使用はあり得ないのか。武器や弾薬、戦車の輸送に県道の使用はどうなるのか。警備態勢への要請はどうなっているのか、明らかにしてください。
     また、米海兵隊が今回の共同訓練の際、自由に鹿児島県内の周辺市町村に外出するなどということになれば、住民に大きな不安が広がることは必至であり、絶対に認められません。ところで、九月十六日から北海道の矢臼別で訓練を行っている海兵隊の現地広報責任者のマンフィ大尉は、外出も訓練の一つとして訓練終了後に自由時間を設け、隊員が釧路を訪れることになるだろうと述べたと報道されています。沖縄の少女暴行事件を起こした米海兵隊に対する日本国民の警戒感は強いものがあり、別海町など地元四町と北海道庁は訓練受け入れのためには外出禁止を条件とし、防衛施設庁は外出時には施設庁職員が同行すると約束しております。ところがこの約束が今回事実上踏みにじられ、米軍ペースで既成事実化が図られようとしているのであります。鹿児島においても同様の事態となることが予想されます。住民に不安を与える基地外への外出は絶対に許すべきではなく、この問題での知事の見解をお示しいただきたいのであります。また、霧島演習場内で縄文初期の埋蔵文化財が自衛隊によって見つけられ、この問題は吉松町議会でも取り上げられたと聞いておりますが、いかに演習場内であろうと、文化財の調査は文化財保護法に基づいて適切に行われなければならないのは当然であります。教育長はこの演習場内における埋蔵文化財について、調査をどのように進められるのか、国との協議などについても明らかにしていただきたいのであります。  次に、問題となっている海砂の採取問題についてお尋ねいたします。  この問題は本議会でも論議されておりますが、県当局はこの問題に関し、今回の補正予算で協議会設置の予算を計上し、予算成立後、協議会を設置、新たな骨材の開発問題や漁業や周辺環境への影響の調査の可能性などを検討するとしております。県がようやく重い腰を上げて協議会を設置、調査検討を行おうとしていることは遅すぎたとはいえ一歩前進であります。しかしながら、今日まで海砂の採取については、漁業関係者のみならず海岸の保全の観点からも、県民の危惧の声が上げられ続けてきたにもかかわらず、まともに対処してこなかった県の姿勢が、問題解決を大きくおくらせてきたことを強く指摘せざるを得ないのであります。  ところで、九六年度の砂利採取業務状況、採石業者の業務の状況の報告書を見てみますと、海砂の採取を行っているのは、全国四十七都道府県のうち半分以下の二十一都道県に過ぎません。海砂の採取は主に中国、四国、九州に集中し、その他の地域ではほとんどゼロに等しい状況であります。また中国、四国、九州においても鳥取、徳島、宮崎の三県においては採取ゼロとなっております。加えて今年度から広島県も海砂の採取を全面禁止しているのであります。このことは海砂の採取が、決して必然的なものではないことを物語っております。  お尋ねいたしますが、第一に、今回協議会をつくって代替骨材の研究を行うということは、県として骨材の海砂への依存度を減らしていくという考え方を持っていると理解していいのか、はっきりさせてください。  第二に、今、特に問題とされている西部地域における海砂の採取計画案では、毎年六十万立米、五年間の合計で三百万立米の採取計画となっておりますが、この数字は何を根拠に定められたものであるか。需要と供給のバランスは、どのように考えられているのか、明らかにしていただきたいのであります。  第三に、海砂と同様の細骨材としては川砂、おか砂、そして砕石からの砕砂がありますが、砕砂については、現在は全体の一六%弱しか占めておりませんが、今後十分にふやしていく可能性があると言えるのではないでしょうか。例えば宮城県ではほぼ鹿児島県と同量の細骨材を生産しておりますが、そのうち砕砂が約百五十万立米、鹿児島県の三倍にも上っております。宮城県並みに砕砂の生産量を今の三倍にふやすだけでも、約百万立米の海砂採取を減らすことができる計算であります。砕石業協同組合連合会でも、全体の砕石量をふやさなくとも、現在利用せずにやむなく捨てている部分を有効利用することによって、JIS規格にある採砂を十分に生産できると言っておられます。海砂の採取に全面禁止に踏み切った広島県では、砕砂などの開発生産を促進するために、建設用の砕砂などを生産しようとする中小業者、組合などに対し三億円を限度とした融資制度もつくっております。海砂を取らなければ公共工事ができなくなるなどというのは、反対する県民への脅しとも言えるやり方であり、代替骨材の開発生産は十分にできると指摘したいのであります。このことについて県として、どのようにお考えであるか、明らかにしてください。  最後に、影響を受ける海砂採取業者への業種転換に係る対策などは、十分に手だてをとることは当然のことであり、このことを前提として少なくとも漁業への影響や海岸保全への影響が指摘をされ、反対の声が上げられている海域では、海砂の採取は今後中止すべきであり、協議会の設置が漁民の反対の声を封じ込める役割を果たすことのないようにすべきでありますが、県の姿勢を明らかにしていただきたいのであります。  次に、環境問題についてお尋ねいたします。  ダイオキシン類による環境汚染が今、重大な問題となっていることは、本議会でもたびたび指摘されているとおりです。世界保健機構が発がん性があると指摘し、奇形や子宮内膜症の原因とも見られている猛毒ダイオキシン類は、一般廃棄物や産業廃棄物の焼却によって日常的、継続的に生成され、日本列島を汚染し、日本を世界でも有数のダイオキシン汚染国にしてきました。汚染された環境をより安全なものにし、国民の命と健康を守ることは、今や待ったなしの課題となっています。しかしながら、ダイオキシン汚染の危険性が、これほど叫ばれているにもかかわらず、我が県においても、その汚染の実態はほとんど明らかにされず、対策がおくれているのはもちろんのこと、いまだにダイオキシンの日常的な生産が野放しに行われている実態が見られるのが実情ではないでしょうか。  例えば奄美のある町では、今日依然として家庭から出される台所のごみを、塩化ビニールも含めて全部野焼きしており、また、ある町では古タイヤを燃料に野焼き同然の簡易な焼却場で何もかも一緒に燃やす、その焼却灰もその近くに野積みという状況です。鹿児島県内の至るところで、長年にわたって焼却灰が適切に処理されず放置されております。また、産業廃棄物の焼却場の実態はほとんど不明で明らかにされておりません。吉田町にある産業廃棄物の焼却場では、これまで多年にわたり焼却能力をはるかに越える廃棄物が持ち込まれ、うずたかい山となっていますが、この産業廃棄物を焼却しきるには少なくともあと一年はかかると社長は言っております。鹿児島県でも、最も初期につくられた焼却施設で、まさに野焼き同然のものといってよく、今後一年間以上にわたって周辺住民はダイオキシンの危険にさらされ続けなければならない状況であります。  さらに、農業用廃ビニールは、現在もなお大隅地域でも薩摩地域でも野焼きによる処理が行われ続けております。川辺町や屋久町だけでなく検査をすれば、どこでも土壌にも大気にも相当量のダイオキシンが検出されることは十分に予想されるところであります。  そこで、お尋ねいたしますが、我が県のダイオキシンによる汚染について、県としてどのように認識しておられるか、明らかにしてください。  また、汚染の実態を調査し、情報を公開することは急務であります。県として実態調査をどのように進めていかれるのか、お尋ねいたします。  また、一般ごみや建設廃材など産業廃棄物の野焼き、あるいは野焼き同然の焼却は直ちにやめることが必要ですが、いかがでしょうか。  さらに、農業用廃ビニールについては、農家負担をどのように軽減しながら適正処理をしていくかということが大きな課題であります。県や市町村、農協などが一体となって資金援助も含め農家への援助を強め、野焼きをなくしていくことが求められていますが、県として、この問題にどう取り組んでいかれるのか、明らかにしてください。  また、産業廃棄物の焼却施設におけるダイオキシンの測定について、どのように進めていかれるのか。ごまかしのない正確な調査と情報公開、基準を達成できない施設の休廃止などが求められますが、御答弁を求めるものであります。  さらに、環境基本計画にはダイオキシンの削減目標についての記載がありません。ことし六月、WTOは大要一日摂取量を十ピコグラムから一ないし四ピコグラムに引き下げました。これに伴う厚生省の見直しを待つまでもなく、我が県における基準を定め、環境基本計画に削減目標を明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。  ごみ問題の基本は分別とリサイクルを徹底し、ごみの量を減らすことです。国が進めているダイオキシン対策としてのごみ焼却場の大型化は、リサイクルを進めれば進めるほど一層広域化を進めなければ焼却する量が不足していくという、本来のごみ行政のあり方とは全く矛盾する方針となっております。本来の分別とリサイクル、減量という取り組みを進めるためにも県の方針を確立し、市町村と県が一体となって取り組みを進めることが求められております。排出業者の責任を明確にすることも当然であります。  三重県では、資源ごみのリサイクル促進、ダイオキシン対策焼却設備、資源循環型処理施設整備を行う市町村や一部事務組合、広域連合に対し補助金を支給する制度を創設しております。鹿児島県内においても、例えば世界自然遺産を持つ屋久町、上屋久町などは、自然遺産の町にふさわしく、これまでの野焼きを含むごみ処理のあり方を抜本的に改め、資源循環型のごみ対策を確立したいと生ごみの堆肥化、LFLというシリコン製品の中に燃やせないごみを閉じ込める方法などを真剣に研究しておられます。問題はその財源であります。こうした市町村独自の取り組みを励まし、ごみの減量を実現していくためにも国への要請はもちろんのこと、県独自の支援措置を行うことが必要であると考えますが、御答弁を求めます。  環境問題の最後に、2・4・5T系除草剤の問題についてお尋ねいたします。  一九七一年十一月、林野庁は各営林署長にあて2・4・5T系除草剤及び有機リン系殺虫剤等の廃棄処分についてという通達を出し、埋め立て処分を行うよう指示しました。これに基づいて処分された除草剤の量は全国で約二十七トン、そのうち鹿児島県内では内之浦、吉松、大口、川辺、上屋久の各市町に全国一多い合計六千二百二十キログラムもの除草剤が埋められております。県内で最も多く埋められているのは上屋久町の三千八百二十五キログラム、次いで多いのが吉松町の千二百キログラムです。上屋久町は岩手県の雫石町の三千九百四十キログラムに次いで全国で二番目に多い量となっております。2・4・5Tはベトナム戦争当時、アメリカによって使われた枯葉剤です。その生産過程で不純物として生成されたダイオキシン類の中でも、最も毒性の強い2・3・7・8・四塩化ダイオキシンが環境と人体にどんな惨状をもたらしたかはベトちゃん、ドクちゃんの例を見ても明らかです。この2・4・5Tを含む除草剤を使用していた林野庁が、その危険性に気づき埋設処分を指示したわけです。岩手県では今、これが大きな問題となり、ことし二月には青森営林局と県、関係市町村の間で周辺環境調査についての覚書が締結され、それに基づいてダイオキシン拡散等による汚染の有無について、土壌調査、水質調査を行っております。  お尋ねいたします。県としてこの問題に、これまでどのように対処してこられたのか、明らかにしてください。  また、我が県においても大量に埋められている上屋久町を初め埋設地周辺の土壌や水質を調査し、ダイオキシン汚染の有無を明らかにするとともに、今後抜本的対策として安全に分解除去する方策を早急にとるよう林野庁に強く要求すべきではありませんか、御答弁をお願いいたします。  これで第一回目の質問といたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 31 ◯知事(須賀龍郎君)さきの参議院議員選挙の結果につきましては、国民が何よりも我が国の経済情勢を極めて深刻に受けとめ、その一日も早い回復を願っており、全体的には国民の国政に対する厳しい考え方が示されたものであると受けとめております。なお、参議院選挙後誕生いたしました小渕内閣は、経済再生内閣として位置づけられており、景気回復に向けた具体的な施策の推進に積極的に取り組まれますとともに、地方自治の立場からは実効性のある地方分権を推進し、新幹線や高規格幹線道路など、高速交通体系を初めとします社会資本の整備に当たりましては、地域の実情に応じた施策の推進が図られますよう特段の配慮をしていただきたいと考えております。  次は、消費税率が引き下げられた場合の景気への影響につきましては、一時的には購買力の増加によりまして個人消費を喚起する面もあるのではないかと考えられます。しかしながら、現在の消費水準は価格面での効果ばかりではなく、所得の伸びや企業、消費者の我が国経済の先行きに対します不透明感など、さまざまな要因が関係しておりまして、このため、国におきましても景気回復の阻害要因となっております不良債権処理の本格的対応、各般の総合経済対策を実施いたしますとともに、税制につきましても景気に最大の配慮をいたしまして、法人課税、個人所得課税合わせまして六兆円を超える減税を実施することとされております。なお消費税は少子高齢化の進展という我が国の構造変化に対応した税制改革の一環として、我が国が今後活力ある豊かな福祉社会の実現を目指す視点に立って実施されたものであります。このようなことから、消費税率の引き下げにつきまして要望をする考えはございません。  なお、三%引き下げが行われた場合に、本県への効果につきましては試算はいたしておりません。  次は、去る八月六日、防衛庁から連絡を受けました際に、日米共同訓練の実施に当たりましては、住民生活に支障が生じないよう事故防止や治安対策など、住民の安全確保に十分配慮されるよう国に強く要請をしたところであります。現在、港湾、空港及び道路の使用など訓練内容の細部につきましては、日米間で調整中であるとのことであります。県といたしましては、できる限り早く情報を収集したいと考えておりますが、訓練内容の細部が明らかになり次第、県議会の御意向も承りたいと考えております。なお、どのような方法で議会の御意見を承るのかということでございますが、このことは改めて議会の方に御相談申し上げたいと存じます。  また、アメリカ海兵隊との日米共同訓練は、これまでも国内各地におきまして実施されておりますが、今回、訓練に参加する海兵隊は、アジア地域の紛争阻止などの任務を持っている海兵隊であると聞いております。 32 ◯教育長(徳田 穰君)遺跡の発掘調査につきましては、原則として遺跡が破壊されるなど影響があると判断される恒久的な建造物、道路その他の工作物を設置する場合等において行うこととしております。今回、演習場内から土器が採集されたことにつきましては、吉松町教育委員会から報告を受けており、県教育委員会といたしましては、吉松町教育委員会と連携を図りながら、九月末に現地調査を実施することといたしていますので、その調査結果を踏まえて対応したいと考えております。 33 ◯土木部長(板垣 治君)公共事業等に必要な海砂につきましては、近年、漁業資源の保護や環境保護の観点からさまざまな意見が出てきています。今回設置することにしています鹿児島県公共事業等骨材確保対策協議会においては、海砂の利用のあり方も含め中長期的な視点に立った骨材確保の対策につきまして検討することとしています。  西部海域における県が示した採取計画案の数量につきましては、吹上地区における過去の採取実績や生コン工場などの海砂の使用状況、さらには海砂の賦存量調査の結果なども勘案しながら採取の上限枠として提示したものであります。  コンクリート用骨材としての採砂につきましては、年々利用がふえ、全体の一六%を占めるまでになってきていますが、砂に比べて粒子が角ばっているため多量に使用するとコンクリートの流動性が乏しくなり、施工が難しくなることから海砂やおか砂と混合して使用する必要があることや、砂に比べて価格が高いなどの問題があります。このため、今回設置することとしています鹿児島県公共事業等骨材確保対策協議会において、砕砂の利用拡大の可能性を含めて検討してまいりたいと考えております。  砕砂は本県におきましては、公共事業等の推進に欠くことのできない重要な役割を果たしており、漁業との調整を図りながら適正量を確保していく必要があると考えております。県といたしましては、今回発足する公共事業等骨材確保対策協議会については、漁業関係者を含めた幅広い分野から人選を行い、その中で骨材確保対策や漁業影響調査の可能性について検討することとしております。なお、各地区の採取につきましては、この協議会の検討結果をもとに、それぞれの地域の実情を考慮して漁業関係者とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。 34 ◯環境生活部長(大久保博志君)ダイオキシン類の汚染につきましては、今のところ土壌等の評価基準が設定されていないため、現在国において土壌等の環境基準等の検討がなされるところであり、今後この環境基準等に従って対策を講じてまいりたいと考えております。  また、県内のダイオキシン類の実態調査につきましては、本年度から県単独事業として、大気については一般環境や発生源周辺の調査及び廃棄物焼却施設の排出口監視調査を、県内の十七カ所において実施しているところであります。また、国においても本年度ダイオキシン類緊急全国一斉調査を実施しており、本県内でも七カ所において大気、水質、土壌等の調査を県も参加して行っているところであります。  次に、昨年実施しました一般廃棄物処理の実態調査及び産業廃棄物のミニ処分場実態調査の結果、一部の市町村等や産業廃棄物処分場等で野焼きが行われていたことから、県としましてはこれらの処分場の設置者に対し、直ちに野焼きを中止するよう強く指導したところであります。今後とも引き続き市町村や関係団体との連携を図りながら、立入調査など監視指導を行い、野焼きが行われている場合は、即時中止を指導するなど、廃棄物の適正処理の推進に努めてまいりたいと考えております。  産業廃棄物の焼却施設につきましては、廃棄物処理施行規則が改正され、昨年十二月一日から排ガス中のダイオキシン濃度を年一回以上測定、記録することが義務づけられたところであります。県としましては、同政令、同省令改正後、直ちに文書により対象となる施設設置者に対しダイオキシンの測定の実施及び排出抑制基準値の遵守などを指導したところであります。また、その後職員による施設への立入調査を行い、ダイオキシン測定を行っていない施設の設置者に対しては、十一月末までに測定を行うよう強く指導しているところであります。  次に、ダイオキシン類に係る環境基準等につきましては、現在、国において全国一斉の実態調査とあわせて土壌等に係る環境基準等の設定や、大気環境の指針値の見直し等の検討がなされているところであります。県としましては、今後これらの国における動向を踏まえ、環境基本計画の中でも適切に対応してまいりたいと考えております。  県としましては、ごみの排出抑制や減量化、リサイクルについて、これまで県クリーンリサイクル推進協議会と連携して、市町村の担当者を対象とした各種研修会の開催を初め、各種の冊子やリーフレットの配布を行うなど、ごみの減量化やリサイクルについて県民に対する普及啓発を行ってきているところであります。また一部市町村におきましては、ごみのコンポスト購入補助や資源ごみの集団回収に対する助成などを行っておりますが、県としましては、市町村等が設置するリサイクルプラザなどリサイクル関連施設の整備につきましては、国庫補助金の確保に努めるとともに、県開発促進協議会などを通じて施設整備に係る国庫補助率の引き上げ、補助対象施設の拡大等を強く要望してまいりたいと考えております。 35 ◯農政部長(脇田 稔君)農業用廃ビニールは産業廃棄物としての取り扱いを受けておりまして、他の産業廃棄物と同様排出者の責任で適正に処理することとされております。既に県内の一部の広域農協や生産部会におきましては、共同で広域的に回収処理することによりまして、個々の農家の負担を軽減する取り組みが進みつつありますので、その他の地域におきましても市町村、農協、ビニールを使用する生産振興会等による推進体制を整備し、農業用廃ビニール等が地域ぐるみで回収され、再生処理や法律で認められた施設での埋め立てや、焼却による処理が適正に行われるよう指導してまいりたいと考えております。 36 ◯林務水産部長(迫 一徳君)2・4・5T系の除草剤につきましては、林野庁によりますと、昭和四十六年に使用を中止しまして、本県では昭和四十六年から四十七年にかけまして、粒状のものをセメントと混ぜてコンクリート状にしてビニールシートを用いまして、土壌や地下水と接触しない方法で、県下六カ所に分けて国有林内に埋設してあるということでございます。埋設箇所につきましては、立入禁止等の保全措置を講じるとともに、毎年二回大雨後などにおきましてはその都度、所管の営林署が定期点検を実施しておりまして、その結果によりますと、極めて安定した状態にあると聞いております。県としましては、林野庁に対し引き続き埋設現場の適切な管理を行うよう要請しますとともに、定期点検の結果、何かあれば情報を提供するよう要請してまいりたいと考えております。    [祝迫かつ子君登壇] 37 ◯祝迫かつ子君 海砂の採取計画案については、これまでの採取の実績から計画を立てたという御答弁がありました。私の計算では鹿児島県内で生産されている生コン、そのほかのコンクリート製品、合わせて使われている細骨材の量はかなり多く見積もっても二百万立米にもなりません。一方、熊本県の細骨材の生産は百十八万三千六百七十二立米に過ぎず、九十六年度ですが、鹿児島県の約三分の一に過ぎません。つまり鹿児島県の海砂を含む細骨材は明らかに需要を大きく上回って生産されており、海砂採取の量には何ら根拠がなく、また生産量の少ない他県に持ち出されていることが、統計の数字からも容易に想像できるわけであります。先日の一般質問への答弁の中で、検収によって採取量をきちんと把握している。県外の販売はないということも確認しているかの御答弁がありましたが、検収協会の理事長は砂利連の会長であり、理事、監事も半分は砂利連の推薦、事務局長及び検収員は理事長の任命、しかもその理事長である砂利連の会長は元県林務水産部の次長を務めた幹部であります。これでは公正な検収が行われているか、疑惑を抱かざるを得ず、県行政との癒着さえ疑わざるを得ない状況と言えるわけであります。即刻改善が求められていることを強く指摘をしておきたいと思います。  いろいろと御答弁いただきましたけれども、県民の暮らしと平和を守るのが知事の役目であります。アジア地域での紛争を処理をする、この阻止をする海兵隊がなぜ鹿児島の霧島演習場で訓練を行わなければならないのか。全く疑問であります。地方分権と口では叫びながら政府やアメリカには言うべきことも言わない、消費税の減税を求める県民の叫びに耳も傾けない、これでどうして県民を大事にする県政と言えるでしょうか。何が地方分権でしょうか。ダイオキシン問題など環境問題についても、県民の命にかかわる問題として真剣な取り組みを要望し、次に移ります。  次に、介護保険問題についてお尋ねいたします。  日本共産党はことし四月一日、二〇〇〇年四月までにこれだけは解決しなければならない介護保険法実施に向けての日本共産党の緊急提案を発表しました。重い保険料、利用料負担、介護基盤の立ちおくれなど、このままでは保険あって介護なしとなる介護保険法について、実施前に解決すべき最小限の課題を緊急政策として提起したわけであります。その第一は、高い保険料のために制度から排除されることがないように、国と自治体の負担による減免制度を創設することです。第二は、介護の基盤整備を制度導入にふさわしく引き上げる問題です。第三に、現行の福祉水準を後退させない措置をとることです。一割の利用料が払えずサービスを受けられなくなる人がないように、低所得者への減免制度の創設が必要です。第四に、必要な人が実態に見合うサービスを受けられるよう、高齢者の生活実態を反映した認定基準に改善することです。これらの提案を踏まえながら、我が県として、どのように取り組んでいくのか質問してまいります。細かい点は委員会に譲りまして、主な点についてお尋ねいたします。  まず、第一に、国保税の四割、六割の減免を受けている世帯が多数に上り、しかも税の滞納で短期保険証しかもらっていない、あるいは保険証未交付の世帯が一万六千世帯にも上る状況を考えるとき、このままで介護保険が実施されたら鹿児島県内で保険料が納められない家庭が続出すると考えられるが、県はどのようにとらえているのか。  第二に、特別養護老人ホームの待機者が三千五百名以上とも言われておりますが、こうした状況のもとでは特別養護老人ホームに入所が必要だと認定されても入れない人が続出することにはならないのか。結局入所については厳しく制限されることにならざるを得ず、しかも退所を無理に促進することになるのではないか。  第三に、ホームヘルプサービスを受けている人の九割は無料であり、特別養護老人ホームの入所者の七割が、年金が四万円程度であることを見るとき、利用料が払えずに介護が受けられない人、五年の経過措置の後、特老を退所せざるを得ない人が続出するおそれはないのか。  第四に、現在デイサービスを受けている虚弱老人や家事援助のホームヘルプサービスを受けている人は、認定から外されるおそれはないのか。  第五に、県の介護保険支援計画策定や市町村の介護保険事業計画への住民参加がどうしても必要でありますが、県として住民参加による計画策定をどのように考えているのか。  以上の点についてお尋ねするものであります。  次に、土木行政についてであります。  東西幹線問題については代表質問でも取り上げられておりますが、問題は住宅密集地を貫通する道路となるだけに、地域環境や住民に及ぼす影響が極めて大きいということであります。それだけに住民の声も聞かず何もかもほとんど決まってから住民に押しつけるというようなやり方は絶対にあってはなりません。ルートの決定から道路構造など、道路計画の策定に当たっては住民参加を文字どおり貫く必要があります。  そこで、お尋ねいたしますが、関係地域住民の声や要望を酌み取るために、いつごろどのような形でその機会を持たれるのか、明らかにしてください。また、協議会に住民代表を参加させるべきと考えますが、いかがお考えであるか、御答弁をお願いいたします。  さて、財政危機が大きく叫ばれているにもかかわらず、景気対策をにしきの御旗に公共事業にはまさに湯水のようにお金がつぎ込まれているのが、六月議会と本九月議会での総計一千百億円にも上る補正予算であります。我が党は公共事業一般に反対するものではありませんが、多額の財政を伴うだけに本当に必要な事業を精選し、生活密着型の公共事業については積極的に推進するとともに、不要不急のものについては徹底した見直しを行い、財政を県民本位に立て直し、ゼネコン奉仕から住民奉仕へと県政の流れを変えていくことが極めて重要であると考えております。これまでもこうした観点から大型開発計画の見直しを要求してまいりました。とりわけ鹿児島港中央港区に建設予定の人工島は、総工費一千億円を超えると予想される超大型開発であり、ゼネコンの要求ではあっても県民の要求ではなく、不要不急事業の典型であります。水深十二メートルの大型観光船などが発着できるバースをつくる、国際交流拠点や防災拠点等の形成を目指す、あるいは臨港道路の結節点とするなどの理由が挙げられていますが、いずれも説得力はありません。谷山港に接岸した大型船は昨年十隻、しかもそのうち一隻は強襲揚陸艦ベロー・ウッドであります。ことしはまだわずか二隻であります。あすも谷山港に米艦船の入港が伝えられていますが、人工島の建設はこうした軍艦の入港を容易にするためであるのではないかという疑惑さえ浮かんでくるのであります。マリンテラスかごしま計画はとんざし、本港区の臨海埋立地には広大な遊休地が今後の見通しもないままに広がっています。国際会議場や防災拠点にできる用地は十分過ぎるほど既に造成されており、これ以上莫大な税金を使って人工の島までつくって新たな土地を造成する必要などありません。鹿児島港港湾計画、ウォーターフロント計画はこの際見直しを進め、人工島の建設は中止すべきことを再度要求するものですが、改めて知事の見解をお伺いいたします。  次に、教育問題についてお伺いいたします。  中央教育審議会は、去る九月二十一日、今後の地方教育行政とあり方についての答申を文部大臣に提出しました。これに基づき文部省は来年の通常国会に関連法の改正案を提出するとしております。ところで、この答申では、現在の一学級の定員四十名を下回る弾力的な学級編制を都道府県の意向でできるようにするとしております。財政的な裏づけがなく、自治体の財政力の差で教育条件に格差が生まれることになるなど問題もありますが、しかしながら、今、県民の強い願いとなっている三十人学級の実現に向けて、これをチャンスとして生かすことも求められているのであります。いじめや不登校、ナイフ事件、学級崩壊とも言われるほどの新たな荒れの状況などなど、学校現場は今かつてないほどの困難に直面していると言わねばなりません。  こうした中で、教師と児童生徒にゆとりを取り戻し一人一人の子供たちを大事にできる、教師と子供がしっかりと向き合える学校づくりを教師も親も子供たちも熱望しております。今、教育行政として進めるべきことは、心の教育とか、受験競争を小学校にまで本格的に持ち込むことになりかねない一部だけの中高一貫教育などよりも、まさに三十人学級の実現です。教育委員会はこの答申を受け、三十人学級の実現に取り組むお考えがあるかどうか、お伺いするものであります。  さて、国連子どもの権利委員会では、子どもの権利条約を批准した国から批准後二年以内、その後は五年ごとに報告を求めていますが、日本政府が出した初めての報告に基づいて五月末に審査が行われ、六月五日に日本政府への提案、勧告が出されました。この勧告はほかの国に対して比べても極めて厳しい内容と言われております。この勧告では、日本においてまだまだこの条約が国民に知らしめられていないことも厳しく指摘されておりますが、学校教育に関する部分を見てみますと、教育制度が極めて競争的であること、その結果、子供の身体的及び肉体的健康に否定的な影響を及ぼしていることに照らし、過度なストレス及び不登校を防止し、かつそれと戦うための適切な措置をとるべきこと及び学校における暴力を防止するため、特に体罰及びいじめを根絶するために、包括的なプログラムを開発すべきこと、及びその実施を厳密に監視すべきことを勧告すると、日本の教育制度が子供を追い詰めていることに警鐘を乱打しているのであります。県教育委員会としてこの勧告をどのよう受けとめられ、今後どのように我が県の教育に生かしていかれるのか、お示しいただきたいのであります。  次に、県営住宅の改善についてお尋ねいたします。  第一は、畳の床がえについてであります。県の方針では二十五年以上たった住宅については畳の床がえを行うとしておりますが、現在鹿児島県内において二十五年以上たった住宅がどれだけあり、床がえが済んでいない住宅が何戸であるのか。今後どのような計画で進めていかれるのか、お示しください。  第二に、入居者の高齢化が進んでいる中、階段に手すりをつけてほしいという声が強まっています。この手すり設置事業は、高齢者住宅が一階にある場合などには国の補助があり、その補助事業で一部設置が進められておりますが、これでは極めて不十分であり、県単独事業として思い切って進めていくことが求められております。このようなすぐにでもできる、そして県内の中小零細業者でできる事業を積極的に進めてこそ、景気対策としての効果も上がり、県民にも喜んでもらえることは明らかであります。前向きの御答弁をお願いいたします。  最後に、農業問題についてお尋ねいたします。  全国一と言われる採卵鶏、卵生産者は加工筋だけでなく家庭需要の減退もあって、生産量はふえていないのに価格が暴落するという事態が続き、毎年養鶏所得の課税標準を定めている熊本国税局も、平成四年から今日まで養鶏農家の所得は赤字になっていると証明しているほどの事態となっております。本県採卵鶏農家の生産者価格のもとになる福岡相場も大幅下落し、売り値は生産コストの半分ぐらいになり、卵一キロを生産すれば六十円から九十円の赤字が出るという状況で、去る四月五日には二万五千羽の採卵鶏を飼育していた知覧町の農家が自殺に追い込まれました。ある十一万羽弱の採卵鶏農家は、年間金利負担だけで二千万円になると言っておられます。この背景にはアメリカを初めとする外国産卵の輸入がふえていること、生産者価格のもとにある福岡市場価格が東京、大阪の市場をもとにこれを下回るように決められること、採卵、鶏卵農家による自主的な努力にもかかわらずやみ増羽が後を絶たないこと、国や県による支援策が牛、豚と比べても極めて不十分なことなどが挙げられるのであります。同時に卵は余っているという情報操作のもとで、実際には入荷がないというような事態をなくすために、在庫量などの情報公開も求められております。  そこで、お尋ねいたします。  鶏卵農家の強い要求で、去る七月には液卵公社による卵買い出動なども行われるなど、国もようやく重い腰を上げ始めてはおりますが、生産量全国一の本県の採卵鶏農家の窮状を打開するためには、県による真剣な支援策が求められておりますが、どのような取り組みをされるのか、お聞かせください。  第二に、東京、大阪市場の一級品以上の加重平均価格が補てん基準価格を下回った場合、その九〇%が補てんされる卵価安定基金への県の助成は、キロ当たり五十銭となっていますが、これをもっと増額するなどの考えはないのか、お示しください。  第三に、国主導によるかつて石油危機のときに行われた畜産特別融資並みの支援が求められております。特に農家の莫大な負債を整理するために、低利の運転資金の貸し付けを農林漁業金融公庫が実施するよう国及び関係機関に強く働きかけるべきだと思うがどうか。  第四に、県独自による系列に偏らないすべての金融機関で利用できる金融支援を直ちに実施すべきだと考えますが、御答弁を求めます。    [知事須賀龍郎君登壇] 38 ◯知事(須賀龍郎君)人工島につきましては、これは広大な静穏海域と雄大な桜島を有する錦江湾の自然を生かしながら、国際交流拠点や防災拠点の形成を目指すものでありまして、県民の期待も大きいゆえに鹿児島の将来にとっても重要なものであると考えておりますので、今後ともこの早期整備につきまして一層の努力をしてまいりたいと考えております。  なお、また平成十年度に新規採択されましたフロンティアランド事業は、これは人工島予定海域の一部を護岸で囲いまして、桜島から発生いたします土石流土砂等の海面処分場として整備をするものでありまして、これによりまして造成された土地を有効利用することといたしているところであります。ぜひとも御理解と御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。 39 ◯保健福祉部長(矢島鉄也君)介護保険制度は、介護サービスにかかる負担につきまして社会保険方式を採用し、被保険者の相互扶助の考え方に基づいた制度であり、被保険者すべてが何らかの負担をするのが原則となっております。保険料につきましては、負担能力に応じた所得段階別の定額保険料とし、所得の低い方には低い保険料を適用することとしており、また生活保護の対象となっている方に対する保険料は生活扶助で行うこととなっているなど、所得の低い世帯においても保険料が負担できるような配慮がなされているところでございます。  介護保険制度の円滑な実施を図るためには、需要に見合ったサービス提供基盤を整備していくことが極めて重要であることから、これまで鹿児島すこやか長寿プランに基づき計画的な整備に取り組んできており、特別養護老人ホームにつきましては、目標の平成十一年度末にはほぼ計画どおりの達成ができる見込みとなっております。今後、市町村においては法施行までの間に、要介護度に見合う需要や施設入所などに関する住民の利用意向を調査し、新たに介護保険事業計画を策定することとなっております。県としてはこの計画を踏まえ、法施行後においても、現行の特別養護老人ホームのほか老人保健施設や療養型病床群などの介護保健施設の整備を進め、さらに安定的な基盤整備の充実が図られるように努めてまいりたいと考えております。  介護サービスに係る利用者負担につきましては、公平な負担を確保するとともに、サービス利用者に費用意識を持つことを促すために設けられたものと聞いております。利用者負担は一割の定率とされておりますが、高額になった場合は限度額を設け、高額介護サービス費の支給によって自己負担額は軽減されることになっております。特に所得の低い方につきましては、この限度額をより低く設定するとともに、施設入所等の場合の食事にかかわる負担額についても、低い額を設定するなどの配慮がなされております。また、生活保護の対象となっている方の利用者負担は介護扶助により適切に手当てされ、自己負担が生じないよう措置が講じられることとなっております。  現行のデイサービスにつきましては、要援護老人であって虚弱または寝たきり等のために日常生活を営むのに支障がある高齢者が対象となっており、ホームヘルプサービスの家事援助につきましては、要援護老人のいる家庭であって、高齢者またはその家族が介護サービスを必要とする場合に対象となっておりますが、このような要件を満たす高齢者の多くは介護保険施行後も対象となると考えております。なお、法施行後の対象者の基準につきましては、現在国において検討中であり、今後具体的基準が示されることとなっております。  介護保険制度におきましては、介護保険事業計画の作成等に当たり、被保険者の意見を反映させるため必要な措置を講じるよう求められております。このため県といたしましては、国の指導のもとに学識経験者や保険、医療、福祉関係者のほか、被保険者代表や費用負担関係者の参加を得た計画作成委員会等の設置、アンケート調査の実施、地区別の公聴会、説明会の開催等を行うよう、市町村に対し指導、助言を行っているところであります。また、県の介護保険事業支援計画策定に当たっても、学識経験者や保険、医療、福祉関係者等の参加を求めて計画作成委員会を設置するとともに、関係者の意見を聞くような体制をとっていきたいと考えております。 40 ◯土木部長(板垣 治君)鹿児島東西幹線道路協議会は、事務レベルでの基本的な考え方を整理する場として、国、県、鹿児島市で設置したものであり、これまでルートや都市計画決定を行う区間などにつきまして協議を重ねてきており、できるだけ早い時期に基本的な考え方を取りまとめることとしております。その後、協議会の基本的な考え方や地元の意見等を踏まえながら、鹿児島市と一体となって都市計画決定に向けた計画案を作成することとしております。  県営住宅の畳につきましては、畳表の取りかえは個人負担で行い、畳床が老朽化した場合は県負担で取りかえています。畳床につきましては、既存の県営住宅で劣損状況を調査したところ、二十五年以上のものはほとんどが十分使用可能であったことから、取りかえは二十五年をめどとして対応しているところであります。二十五年以上経過した未着手の中層耐火住宅は、九年度末で千五十五戸でありますが、今後とも劣損状況等を勘案しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  県営住宅は、新たに建設するものにはすべての階段に手すりを設置しています。既設の県営住宅の階段につきましては、住戸改善に合わせ国の補助を受けて手すりを設置してきているところでありますが、それ以外の階段につきましても、高齢者が利用する頻度が高いものから順次手すりを設置してまいりたいと考えております。 41 ◯教育長(徳田 穰君)国連の児童権利に関する委員会では、我が国が提出した条約の実施状況に関する報告書の審査が行われ、去る六月に最終見解がまとめられたところであります。その中には、条約の広報、研修、教育の充実、学校における体罰、いじめの防止のための包括的なプログラムの考案などの提案及び勧告が盛り込まれていると承知しております。今後の対応につきましては、国において適切な対応がなされるものと考えますが、いずれにしても県教育委員会といたしましては、児童の権利に関する条約の趣旨を踏まえ、日本国憲法及び教育基本法の精神にのっとり、教育活動の全体を通じて基本的人権を尊重した取り組みを進めてまいりたいと考えております。  学級編制につきましては、国において四十人を上限として行うことになっていますが、本県の一学級当たりの平均児童生徒数は小学校で二十四・〇人、中学校で三十・八人であります。学級数や一学級当たりの児童生徒数が比較的多い学校につきましては、国の定数改善計画に基づき、グループ別指導や習熟度別指導など少人数の学習集団を編成して、きめ細かな指導ができるよう教職員配置の改善を図っております。  学級編制や教職員配置の弾力化につきましては、今回の中央教育審議会の答申において提言がなされたところであり、今後、国においては答申の内容の実現に向け制度改正や運用の改善等の取り組みがなされるものと考えており、県教育委員会といたしましては、この動向を見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えております。 42 ◯農政部長(脇田 稔君)鶏卵価格につきましては、平成八年、九年は堅調に推移したため、全国の制度で県も助成をしております卵価安定基金による補てん額は少なかったものの、平成十年度は景気低迷によります需要の減退等から低価格で推移しております。このため、本年四月以降、毎月卵価安定基金による補てんがなされてきておりますが、株式会社全国液卵公社による鶏卵の買い上げや、社団法人日本養鶏協会自主基金事業部によります成鶏の淘汰等の需給調整が行われた結果、鶏卵価格は九月に入りましてやや回復の傾向にあります。卵価安定基金は年間を通じて運用される制度でありますことから、今後の鶏卵価格の推移を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  採卵鶏農家の負債整理対策としましては、一・七%の低利で借りかえられる農家負担軽減支援特別資金が平成七年度に創設されたところであり、県単独で対応した当時に比べますと国の制度が格段に充実をいたしております。この資金は、採卵鶏農家に対し平成八年度に二億八千万円、平成九年度に一億円が融資されており、平成十年度は約十億円を見込んでおります。県としましては、この低利の特別資金に採卵鶏農家からの借り入れ需要があることから、この資金の活用を積極的に進め、農家の経営再建を支援してまいりたいと考えております。なお、価格低落に伴う固定化負債を長期低利資金に借りかえる畜産特別資金については、養鶏農家も対象とするよう国に要請をいたしておりまして、引き続き要請してまいりたいと考えております。 43 ◯祝迫かつ子君 時間がまいりましたので、自席から一言申し上げまして終わりたいと思います。  いろいろ御答弁をいただきましたけれども、すれ違う答弁といいますか、聞いたことにきちっと答えていただけていないのがかなりございます。きちっと聞いたことにはかみ合う形で答弁もお願いをしておきたいと思います。  これで、終わります。 44 ◯議長(溝口宏二君)次は、梶原弘徳君に発言を許可いたします。    [梶原弘徳君登壇](拍手) 45 ◯梶原弘徳君 早速、通告に従いまして質問いたします。  まず、農政問題についてでありますが、第一に米の生産調整の問題についてであります。農林水産省は去る八月二十八日に、六月三十日現在の九八年度の緊急生産調整対策の実施見込みと、九八年度の自主米の稲作経営安定対策の加入状況を発表いたしました。今回の農林水産省の発表は、六月中に生産農家が市町村に提出したものを集計したものでありますが、八月上旬の現地確認が最終的な数字となるため、厳密には六月時点と変わってくることもありますが、これまでの経過からいたしますと微調整でありまして、今回の発表数字がほぼ確定した数字であると考えられるところであります。それによりますと、全国の米の生産調整達成面積は、前年度より十五万六千ヘクタール多い九十五万四千ヘクタールでありまして、目標生産調整達成面積九十六万三千ヘクタールに対し、達成率は九九%であったとのことであります。このような過去最大規模の生産調整面積がほぼ達成できたのは、全国の米生産農家一人一人の血のにじむような努力の結果であり、また行政機関やJA等が一体となって、地域ぐるみで全力で取り組んだ結果であったと思うのであります。しかしながら、国内における水田全体の三割以上が減反となり、地域によっては四割を超えるところもあったのでございます。そうした中で生産調整面積の目標未達成県は九六年度は十一県、九七年度は六県でありましたが、本年は面積も過去最大規模であったことも影響があったのかもしれませんが、秋田県九五%、新潟県九七%、群馬県九三%、隣の宮崎県は九八%などを含む十六県が未達成県でございました。また、生産調整の誘導策の一つとしての地域共補償と連動した全国共補償がスタートいたしましたが、この加入状況は八五%に達し、多くの農家が参加したところであり、昨年の地域共補償参加率が七六%であったことを考えますと、これらの積み重ねが生産調整面積の九九%達成のベースになったとも考えるところでございます。生産調整の全国のその実施内容を見ますと、転作が五十五万五千ヘクタール、面積の約六割を占めており、ほぼ昨年と同様でございました。多面的機能水田が一万八千ヘクタール、調整水田が七万九千ヘクタール、水田預託が八千ヘクタール、自己保全管理が五万六千ヘクタール、土地改良通年施行が五千ヘクタール、実績算入が二十三万四千ヘクタールなどでございました。  ところで、本県におきましては、これまで最大の生産調整面積二万六百七ヘクタールの割り当て面積でございました。当初大変目標達成が心配されたところでありましたが、米生産者を初め県当局、市町村、JA関係機関の必死の努力によりまして、二万六百二十一ヘクタールと一〇〇%の達成を見たことは高く評価をいたすものでございます。そうした本県の目標達成におきましても生産調整に農家が全員参加で取り組み、それらの地域に合った共補償の仕組みを確立した結果であったと考えるところでございます。全国の米生産農家が米価の下落に対して需給均衡の必要性を実感し、価格の回復を求め、苦渋の選択をしたこの努力に対しては、国も米価の安定に対するしっかりとした環境整備をされるよう要望いたすものでございます。  そこでお尋ねをいたしますが、本県における本年の生産調整達成の実施内容についてお示しをいただきたいと思います。また、目標達成の過程での問題点、特に努力された点はどういうところであったのか。本県市町村の中で未達成のところもあったと聞いておりますが、それらの市町村における未達成の原因はどういうところにあったとお考えか、お示しをいただきたいと思います。  さらにはまた、来年の生産調整に向けてのことでありますが、来年産の生産調整目標面積については、国内産米在庫を適正備蓄水準の上限である二百万トンまで縮減することでございます。ことし十月末の在庫が三百八十万トンと予想されますが、八月十五日現在の作況で試算すると来年十月末は三百万トンと予想されまして、来年の生産調整は引き続き本年と同じ程度の面積が求められるのではないかと思うのでございます。このこともまた大変重要な問題であります。また、東北地方を含む国内の水害や台風五号、六号、七号等による稲作の被害は極めて厳しい米生産の状況下にありまして、来年の生産調整面積においても、本年度と同じような面積配分が予想されますが、県、市町村、農業団体等関係者が、さらに一体となって達成へ向けた取り組みを進めていただきますよう、要望をいたしておきたいと思います。  第二点目としまして、サトウキビの生産対策につきましてお尋ねいたします。
     申すまでもなく、このサトウキビは本県の離島地域、奄美大島、種子島における南西諸島農業の中で極めて重要な基幹作目でございます。しかしながら、サトウキビ生産も近年生産農家の高齢化や担い手不足が進んできておりまして、また地理的にもこの離島地域は台風などの気象災害や生産環境が厳しく、さらには生産価格の低迷などによりまして耕作面積、生産量も減少傾向にあるところでございます。中長期的な見通しとしましては、生産農家の経営安定を図る施策の構築が重要な課題でございますが、県におかれましては、これまで生産組織の育成や機械化、基盤整備、土づくり、優良種苗の供給など、面積確保、品質向上に向けた関係者の一体となった努力、取り組みが展開されているところでございます。県内の九八年度産サトウキビ収穫面積は約八千九百三十三ヘクタールであり、生産量はこれまで天候にも恵まれておりまして約五十九万八千四百九十六トン、十アール当たり七ないし八トンの収穫が見込まれておりました。しかしながら、残念なことにこのたびの台風六号によるキビの倒伏などによる被害が、どの程度収穫や生産量に影響が出てくるのか心配でなりません。  ところで、私どもの南種子町におきましては、昨年は一千二百トン収穫農家が誕生いたしまして、先般の熊毛地域における県議会農林水産委員会の行政視察でも、柴立委員長の御配慮によりまして、その県内ナンバーワン農家河脇秀二郎さんの圃場の現地視察をいただいたところでもありました。今日、サトウキビ作は大変厳しい生産環境の中にありますが、一方では、このような農家の生産意欲も伸びてきておりまして、生産面積も昨年よりも約三十三ヘクタール増加してきているところでもございます。また、種子島全島地域におきましても耕作面積が増加をしてきているところでもございます。そういう中で、今後のキビ作振興の課題は、農家の手取り価格の維持や生産振興策の継続、また高齢化、担い手不足に対応するハーベスターなどの機械化であると考えるものでございます。しかしながら、新農業基本法の最終答申におきましては、おおむね県の要望に沿った答申だと関係者は評価をいたしておりますが、本県農業を支える畑作と畜産の位置づけがきちんと打ち出されていないと私は思うのでございます。鹿児島県農業の実情にあった特産品目の振興対策が明記されていないということであります。このサトウキビ作についてもそうでありましたが、今日までの制度や運営の見直しがあるのではと心配もされますが、まず最終答申の内容をどのようにお考えか御見解をお伺いをしたいと存じます。  また、サトウキビの今後の見通しと、十月に決定される本年度の生産価格の見通しをお示しいただきたいと存じます。  三点目といたしまして、カンショの振興についてであります。  本県農業の重要な基幹作目でありますカンショも、サトウキビ同様生産農家の高齢化を初め担い手不足、価格の引き下げ基調などで面積、生産量も減少傾向にございます。また、でん粉も引き下げ基調にあり、二〇〇一年以降これまでの抱き合わせ制度の堅持もどうなっていくのか。アメリカ通商代表部バーシェフスキー代表の発言によりますと、我が国に対する圧力も極めて強く、次期WTO協議の困難さも心配されているところであり、不透明な見通しの状況下の中にあると思うのでございます。そうした環境の中でカンショ農家を守り、またでん粉工場の経営安定を図ることが重要な課題であると思いますが、本県畑作の中心的作目であるカンショも、新農業基本法の最終答申の中には位置づけされておりません。このことも含めてカンショ生産に関する将来展望と、本年度の生産価格に対する対策をお示しいただきたいと存じます。  四点目に、家畜ふん尿の堆肥化の問題につきましてお尋ねいたします。  新農業基本法の最終答申の中にも明記をされましたが、今日社会問題化している家畜ふん尿による地下水や河川等の汚染問題がありまして、畜産全体の健全な発展を推進するためにしっかりとした対策が求められております。農林省でも国民の環境保全、安全性への要求にこたえる畜産でなければ地域社会で存続が難しいと判断をされ、この環境問題の改善こそが畜産振興の上で極めて重要なことであると、このことが畜産農家におきまして死活問題と位置づけをしているところでございます。そこで、国もこの問題に対して環境保全、資源循環型の畜産を本格的に推進するために、畜産有機質資源利用促進法案なるものを、次の通常国会に提出する考えがあると聞いております。現在でも、畜産振興にかかわるいろいろな施策は推進されておりますが、特にこの法律では家畜ふん尿を貴重な有機質資源としてとらえ、酪農、肉牛、肥育、養豚、養鶏等の農家が、ふん尿の堆肥化を進めやすい条件を整備させ、融資や税制上の優遇措置を講ずることなどを含めた法案とのことでございます。ところで、堆肥は有機質農業の命でございます。健全な土づくりを推進することによって農産物自由化などにも対応できる、消費者の求める本物の農産物を生産でき、高品質の有機農業が推進され、自然環境が守られ、食品の安全が守られていくと思うのでございます。そこで、本県におけるこうした家畜ふん尿対策はどのように対応しておられるか、現況と今後の対策についてお尋ねをいたします。  五点目に、汚水処理施設の整備につきましてお伺いをいたします。  農水省、厚生省、建設省などに関する汚水処理施設、下水道、農業集落排水施設や合併処理浄化槽などの整備率は、調査資料によりますと極めて農村部がおくれているとのことでございます。都道府県別で見ますと、東京都は九六%、神奈川県九〇%、兵庫県八一%、島根県三〇%、徳島県二二%、鹿児島県におきましては四二%なのでございます。全国的な整備率で見ますと、都市部は建設省などによる下水道整備の充実がある関係もあり、整備率は九八%と高いですが、農水省が整備する農業集落排水などは二%。厚生省の合併浄化槽は九%であるとのことでございます。総体的に見ますと、地方や農村部が立ちおくれており、都市部と余りにも格差があり過ぎると思うのでございますが、本県における汚水処理施設の整備状況と、今後の対策をお示しをいただきたいと思います。    [知事須賀龍郎君登壇] 46 ◯知事(須賀龍郎君)新たな農業基本法の制定に関しましては、県といたしましては、本県農業の実情を踏まえて、畑作、畜産の振興など十四項目にわたります要望を行ったところであります。今回の答申におきましては、サトウキビやカンショなどの畑作、畜産の振興につきましては、必ずしも直接的な表現はなされておりませんけれども、地域によって異なる生産条件、立地条件を生かしながら、多種多様な生産及び加工、流通を展開する必要がある。また食品産業と農業の連携の一層の強化を通じて、食品産業向けの国内生産物の供給体制を整備すべきであるなどと記載されておりますことから、県の要望はおおむね反映されたものであると考えております。今後、政府与党間におきまして新たな農業基本法の取りまとめに向けまして検討が進められ、内容が明らかになってくるものと考えておりますので、その動向も注意深く見守りながら、必要に応じまして国に要望をしてまいりたいと考えております。 47 ◯農政部長(脇田 稔君)本県の生産調整実施見込み面積二万六百二十一ヘクタールのうち、転作が一万一千二百二ヘクタールで、前年に比べ千六百ヘクタール余り増加し、全体の五四%を占めております。このほか景観形成作物の植栽などによる多面的機能水田が二百九十二ヘクタール、水田に水張りした調整水田が五百十三ヘクタール、作物を植えつけず耕作可能な状態で水田を管理する自己保全管理が千八百六十八ヘクタール、山林や宅地などに転用され、転作としてカウントされる実績算入が六千六百四十五ヘクタールとなっております。また、本年度の生産調整の推進におきましては目標面積に対する限界感がある中で、過去最大の生産調整規模となったことや、新たな米政策初年度ということもあり、特に全国共補償制度の創設に伴います拠出金に対する理解が得られにくいなどの問題点がありました。このため県及び生産者団体が一体となりまして、地区別説明会やきめ細かな推進指導等を行う一方、市町村におきましても拠出金の上乗せなど独自の共補償への措置や、たばこ、シロネギ、飼料作物などの団地化の推進など、さまざまな工夫を講じつつ懸命な推進に努めたところでございます。  一方、現時点では三市町が未達成の見込みとなっておりますが、これらの市町におきましても、これまでにない推進体制をとり、目標達成に向けた取り組みが真剣に展開されたものの飯米農家率が高いことや、農家の中につくったら売れるという考えが浸透していることなどが未達成の原因かと考えられます。これらの未達成市町村に対しましては、十一年度に向けまして、どのように対応するのか、具体的な推進方策につきまして市町、生産者、団体と一体となって検討し、実施してまいりたいと考えております。  サトウキビの振興につきましては、生産性向上による農家の経営安定と、製糖工場の操業能力に見合った原料を安定的に確保することが不可欠であることから、生産者、農協、行政、製糖会社等、地元が一体となって具体的な生産改善対策に取り組むため、島ごとにサトウキビ生産改善計画を策定し、今後三カ年の生産目標を定めたところでございます。この目標達成に向けまして、関係者が一致協力して生産振興に取り組む機運が出てきたことや、一千トンを超す元気な農家の出現などが刺激となりまして、一部ではありますが望ましい方向への展開が見られつつあると考えております。また、ことしの作柄は、今のところ例年と比べ順調と見込まれておりますので、このまま災害のないことを祈る気持ちでございます。県としましては、今後ともサトウキビを南西諸島の基幹作物として位置づけ、この計画達成に向けて農作業受委託組織の育成、簡易作業機械の導入等の生産改善対策に対し支援してまいることといたしております。  本年産のサトウキビの生産者価格につきましては、十月中旬には決定される見込みでございます。糖価下落や消費減退など情勢が極めて厳しい中でありますが、生産農家が意欲を持って生産に取り組み、農業所得の向上が図られますとともに、製糖工場の安定的な操業が行われるよう、サトウキビ生産者価格及び甘蔗糖価格の決定と一層の生産振興対策の推進等につきまして、先般沖縄県と合同で国等に要請を行ったところでございます。  本県のカンショ生産に当たりましては、低コスト、高品質生産を基本に、でん粉原料用から収益性の高い青果用、加工用への用途転換を図りますとともに、でん粉原料用カンショにつきましては、優良品種の開発普及や機械化一貫体系の確立による生産性向上、コスト低減を進め、でん粉工場の操業能力に見合った生産を推進しますほか、でん粉工場の適正配置や製造施設の近代化等による再編整備を促進しているところでございます。また、青果用カンショにつきましては、ハウス栽培施設や貯蔵施設の整備による周年供給体制を確立しますとともに、加工用カンショにつきましてはムラサキイモ等の飲料の開発など、新規のさまざまな用途開発への試みがなされておりますので、県としましてもその促進を支援してまいりたいと考えております。  本年産のでん粉原料用カンショ及びカンショでん粉の価格は、十月上旬に決定される見込みでございます。サトウキビ同様、情勢は厳しいものがございますが、本県カンショ生産農家が意欲を持って生産に取り組み、農業所得の向上とでん粉工場の経営安定が図られるよう、カンショでん粉とコンスターチ用トウモロコシとの抱き合わせ制度の堅持や、生産対策の充実強化等につきまして、これまで国に要請いたしておりますが、近く関係機関、団体とともに改めて国に要請活動を行うことといたしております。  家畜ふん尿につきましては、適正な処理とともに有機質肥料として有効利用を促進することを基本に、県単独の畜産環境整備事業や国の補助事業等の積極的な活用により、堆肥化施設や浄化処理施設等の整備を推進してきたところでございまして、現在までに七十九市町村の二百三十カ所に堆肥化施設が、四十四市町の百八十五カ所に浄化処理施設が整備をされております。県としましては、引き続き堆肥化施設や浄化処理施設の整備を推進いたしますとともに、畜産部門と耕種部門との緊密な連携のもとに、本県に豊富にある家畜ふん尿を完熟堆肥化し、これを利用した健全な土づくりを重点的に進めますとともに、完熟堆肥等の広域流通の促進、家畜ふん尿と生ごみ等を良質堆肥化する施設の整備等を行い、有機質資源としての有効活用がさらに図られるよう努めてまいりたいと考えております。 48 ◯土木部長(板垣 治君)本県における汚水処理施設の整備率は平成九年度末で四二%と、全国平均の六四%に比べ低い状況下にあります。快適な生活環境の確保や公共用水域の保全を図るためには、下水道などの整備が不可欠であると考えております。今後とも、鹿児島県下水道等整備構想に基づき、各種事業の相互調整を図りながら、市町村に対し下水道等の整備促進が図られますよう指導してまいりたいと考えております。    [梶原弘徳君登壇] 49 ◯梶原弘徳君 それぞれ御答弁をいただきまして、農業は国の基本でありますし、また本県にとりましても最重要政策の一つでございます。それぞれ御答弁をいただきましたように、しっかりと今後とも御推進をいただきますようお願いをしておきます。  次に、世界自然遺産登録の島、屋久島につきましてお伺いをいたします。  ところで、須賀知事はかねてから世界自然遺産会議を、県総合基本計画第三期実施計画の中に位置づけをしてまいりたいとお考えをお示しされておられましたが、先ごろ、世界自然遺産会議の実行委員会設立総会を開催され、その基本方針を決定されたところでございました。それによりますと、自然遺産の保全と地域振興のあり方、自然と人とが共生することを自然遺産の存在する地域や国、また地方自治体がどう取り組んでいるのかを協議し、国際交流の意味も含めて、国内はもとよりアジア太平洋地域を中心に、二〇〇〇年の五月中旬ごろに屋久島と鹿児島市において開催するとのことでありますが、今後の順調な計画の推進に期待をいたしているところでございます。  また、本年十一月二十一日から我が国で開催されます、ユネスコなどの主催する世界自然遺産世界遺産国際ユースフォーラム、いわゆる世界の若い人々が世界中に存在する文化遺産や自然遺産に直接触れようとするこの会議の中でも、屋久島におきましても世界の若い人々と地元の中学、高校生、島民との交流が催されるとのことでございます。屋久島は今日、世界自然遺産に登録されて以来、また高速船トッピーなどによるアクセスの整備もされつつある中で、国内外における各方面にわたり注目をされてまいりました。県におきましても、平成二年に策定しました県総合基本計画の中で、屋久島環境文化村構想を戦略プロジェクトとして位置づけをされ、この構想の中で、環境文化村センターや環境文化研修センターなどの中核施設を整備され、また環境文化財団を設立いたしまして、自然と人との共生する新しい地域づくりを推進していただいているところでございます。  ところで、屋久島の上屋久、屋久町、両町におきましては、世界の自然遺産にふさわしい島づくりを目指しながら、島の自然と環境は島民の基本資産であるとの認識を堅持しながら、屋久島全体の地域振興を図っていくことを推進されておられます。そうした中で、屋久島において世界自然遺産の島にふさわしい生活環境の整備等を推進していくためには多くの財政支出が伴われ、両町における現在の財政力で、それらの整備を推進することは極めて困難であり、そのための特別な財政支援を要望いたしているところでもございます。  そこで、国内の他の遺産地域との連携をとりながら、国への特別立法制定などの働きかけも必要と思うわけでございますが、御見解をお伺いをいたしたいと存じます。  次に、県下一周市郡対抗駅伝競争大会につきまして質問をいたします。  この問題につきましては、平成八年の第一回定例会におきまして質問いたしました経緯がございますが、昭和二十九年三月に始まったこの大会は、県内における最大級のスポーツイベントとして広く県民に親しまれ、地域の活性化のためにも極めて大きな貢献をいたしている大会でありますことは御案内のとおりでございます。毎年鹿児島の春の訪れとともに始まるこの大会で、一本のたすきに離島地域の熱い思いを込めて、本土の選手と同じように私ども熊毛チームや奄美チームの選手も、ふるさとの栄誉のため力いっぱい頼もしい姿で力走して、県民にさわやかな感動を与えております。しかしながら、大会期間の五日間は、そのすべてが直接地元の声援もない地域を走るのでありまして、いつものこととはいえ寂しい思いがするものでございます。奄美大島の日本復帰を記念して始まったといわれるこの大会は、九一年十二月七日主催者の一つであります南日本新聞社創立百十周年を記念されて、奄美大島で初めて奄美特別大会と銘打って開催をされております。平成八年の第一回県議会における私の質問に対しまして、当時の有馬教育長は「今後の離島での開催につきましては、関係各方面と協議してみたいと考えております」と御答弁をなさいました。伺いますと、平成十三年、二〇〇一年は南日本新聞社創立百二十周年と本社社屋の新築落成記念行事が予定されているとお聞きをいたしております。この二十一世紀の幕あけ大会を熊毛特別大会として、種子島、屋久島両島におきまして開催をされますよう御尽力をいただきたいと考えますが、御見解をお伺いをいたします。  次に、宇宙開発における外国人技術者などへのインフラ施設整備についてお尋ねをいたします。  本県は、我が国の宇宙開発における唯一のロケット打ち上げ基地の存在するところでありまして、二十一世紀の産業と言われている宇宙開発の振興は極めて重要であり、また本県はその基地の存在する誇りと責任の重大さもあると思うのでございます。ところで、種子島宇宙センターにおきましては、昭和四十一年の科学技術庁宇宙開発推進本部が設置されて以来、これまで数多くのロケット打ち上げ実験やその開発、また宇宙空間への人工衛星の打ち上げが行われてまいりました。その間の我が国における科学技術の進歩は目覚ましいものがあり、今日におきましてはロケットの信頼性は世界中に認知されるようになり、また沿岸漁業関係者との打ち上げ協定により、ロケット打ち上げ期間の延長拡大がなされ、打ち上げコストの軽減化が進む中で、二〇〇〇年以降アメリカなどを含む諸外国のユーザーからの商業衛星、いわゆる実用衛星の打ち上げ依頼が実現することになりました。現在、そのロケット打ち上げ施設の整備が急ピッチでなされているところでございます。その諸外国のユーザーからの商業衛星打ち上げには、数多くの外国人技術者やユーザー、報道関係者の方々が、年間を通じて長期滞在されることが予想されるのでございます。  そこで、種子島に来られる多くの宇宙開発関係の外国人スタッフが安心して業務を遂行し、また快適な日常生活ができる環境整備、いわゆるインフラ整備が必要であると考えるものでございます。現在、南種子町を中心としました宇宙開発関係者に対する生活環境整備はおくれており、日本人スタッフの受け入れにしても、まだ十分とは言えないぐらいであるのにもかかわらず、外国人となりますと我々日本人との生活環境も違いますので、長期の滞在となりますと、それなりのインフラ施設の整備が必要であると考えるものでございます。このようなインフラ整備等の環境整備がおくれてきますと、二〇〇〇年以降、日本初の民間衛星打ち上げ会社ロケットシステムの国際的な商業衛星打ち上げ業務に対して、何らかの影響を生じてくるものではないかと心配されるのでございます。現在、そのための環境整備を宇宙開発事業団、町当局、地元の民間事業関係者等が一体となって宇宙の島、宇宙のまちづくりに積極的に取り組んでいるところでございます。諸外国にある衛星打ち上げ基地のインフラ整備は、関係外国人に対応できる宿泊施設や、快適な日常生活を支援するための公共施設等が整備されておりまして、我が国におきましても、二十一世紀の航空宇宙産業として、将来ともに安定的に定着されるためにも極めて必要な施設整備であると思料いたすものでございます。今日までいろんな環境整備を努力をいたしてまいりましたが、宇宙開発は国としての政策でもございますから、今後こうした外国人関係者に対するインフラ整備を充実させることを、積極的に国に対しても要請をいただき、それらのことを具現化すべきであると思うのでありますが、その御見解をお聞かせをいただきたいと存じます。  さらには、宇宙往還技術試験機ホープXの着陸場がキリバス共和国の宇宙開発事業団のロケット衛星の追跡所のある、人口四千人の島クリスマス島になるのではとの報道でありますが、このことは当初より馬毛島を初めとして北海道の大樹町、岩手県の釜石市や遠野市など国内でも激しく誘致運動も展開されてきておりましたが、まことに残念なことであります。特に、本県の馬毛島は県当局を初め地元種子島地域におきましても、あらゆる関係機関一丸となって誘致運動を今日まで展開してまいってきたところでございます。しかしながら、二十一日の宇宙開発事業団の記者会見でも明らかなように、試験機については安全上、国内での着陸場は無理であるとのことでありますが、実用段階でのことにつきましては、クリスマス島での実験機の実験結果を考慮しながら検討していくということでありますから、今後とも誘致要請に努力をされますよう要望をいたすところでございます。今回のことによりまして、種子島宇宙センターの存在がなくなるものではなく、クリスマス島は種子島宇宙センターの補完施設であり、本拠地は今後とも種子島宇宙センターであることは変わりありませんので、本県はさらに宇宙立県の自信と誇りを持って、先ほども申し上げましたように、宇宙開発の推進がスムーズに展開できる環境づくりに邁進されるよう要望いたすものであります。このことに関しても、お考えを承りたいと存じます。  最後に、新種子島空港の早期開港についてお伺いをいたします。  平成七年一月に工事用の道路が一部着工して以来、平成八年三月末には用地買収率六二%、平成九年八月には空港本体の試験盛り土工事着手、平成十年一月では用地買収率八二・八%、三月末には進入灯も一部完成と建設工事も順調に進んでいると思いますが、現在の進捗状況につきましてお伺いをいたします。  新空港の早期開港は、種子島の島民生活、島民経済への影響はもとよりでありますが、先ほども申し上げましたように、宇宙開発における関連性も極めて密接でありまして、アメリカにおいてはスペースシャトルの輸送はジャンボジェット機の胴体の上部に取りつけて搬送をされ、また搭載される衛星の輸送におきましてもジャンボジェット機などの着陸できる空港の整備が要求をされ、少なくとも二千メートル級以上の滑走路のある空港整備が必要と言われておるわけでございます。クリスマス島においての空港滑走路も二千メートル級以上あるということでございます。また、飛行機材におきましてもYS11の耐用年数もまだまだ大丈夫とはいえ、一日でも早い新空港の開港が待たれるところでございます。先日も空港現場を拝見させていただきましたが、開港まではまだまだ時間を要するのではと感じられましたが、用地買収を含めた今後の対策と見通し、本年度の工事事業内容につきましてお示しをいただきたいと存じます。    [知事須賀龍郎君登壇] 50 ◯知事(須賀龍郎君)屋久島は平成五年十二月に世界自然遺産の登録地となりまして、現在は自然公園法等によりまして、その自然の保全が図られておりますほか、離島振興法等によりまして各種事業を積極的に実施をしているところでございます。県といたしましては、今後もこれらの制度の活用に加えまして、屋久島環境文化村構想を推進し、国や地元町を初め関係機関等とも連携を図りながら、人と自然が共生する地域づくりを目指してまいることといたしております。  世界自然遺産地域にかかわります特別立法の制定につきましては、これまで関係省庁の意見も伺っておりますが、現在の国の厳しい財政状況の中ではなかなか大変なようでございます。今後、同じく世界自然遺産を持っております関係県とも、さらに意見交換をしながら適切に対応してまいりたいと考えております。 51 ◯教育長(徳田 穰君)お話のとおり、県下一周市郡対抗駅伝競争大会は、奄美群島の日本復帰を記念して、昭和二十九年に第一回大会が開催されて以来、昨年度で第四十五回目を迎え、本県長距離界のレベルアップはもとより、地域の連帯感の醸成や活性化に大きく貢献してきております。熊毛特別大会につきましては、地元熊毛地区の要望を踏まえながら、南日本新聞社を中心にして具体的な検討が進められているところでありますが、今後とも関係機関、団体及び各地区の御協力をいただき、二〇〇一年の開催に向けて努力していきたいと考えております。 52 ◯企画部長(和田正道君)種子島におきますロケット打ち上げ関係の外国人技術者などの滞在環境の改善につきましては、外国人向けの宿泊施設の整備のほか国際通信サービス、医療や緊急時における案内サービス、クレジットサービスの拡充などについて取り組んでまいっておるところでございますが、今後とも関係機関、団体等と一体となって、さらにその充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  また、国や宇宙開発事業団等に対しましては地元の考え方や実情等を十分説明し、国などで対応可能なものについては、その実現に向けて強く要請をしてまいりたいと考えております。  また、種子島宇宙センターにつきましては、国は今後とも宇宙開発計画に基づき人工衛星及びロケットの打ち上げ施設の整備を進め、我が国のロケット打ち上げ施設として十分活用していく意向であります。県といたしましては、このセンターが将来にわたって宇宙開発の中心的な施設として十分活用されますよう、国や宇宙開発事業団に対して打ち上げ関連施設の一層の充実を要望していくとともに、ロケット打ち上げ関連道路や空港、港湾の整備など、関係市町団体とも一体となって可能な限りの協力を行い、種子島における宇宙開発の環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 53 ◯土木部長(板垣 治君)新種子島空港の整備につきましては、今年度までに調整池つけかえ水路、進入灯などの工事を進めるとともに、用地につきましては現在約八五%の買収を終えたところであります。用地買収につきましては粘り強く任意交渉を行っているところでありますが、一部に共有地等の問題もあり、今後の用地交渉の進展によっては、法的手続も含めて検討を進めてまいりたいと考えております。今後とも早期開港に向けて最大限の努力を傾注してまいりたいと考えております。    [梶原弘徳君登壇] 54 ◯梶原弘徳君 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  新種子島空港につきまして、ただいま土木部長が、今後の対応を、法的手続も含めて、いよいよもうやらざるを得ないというふうな御答弁をいただき、大変力強く思ったところでございます。一日も早い開港に向けてひとつ御努力をお願いを申し上げます。  さらにはまた、駅伝大会が二〇〇一年、熊毛特別大会として開催をされることがほぼ決定したような御答弁でありまして、我々種子屋久の島民も極めて喜びにたえないところでございます。ひとつ県民の皆さん、よろしくお願いを申し上げます。  どうも皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手)       ─────────────    △ 請願・陳情委員会付託 55 ◯議長(溝口宏二君)次に、受理いたしました請願・陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 56 ◯議長(溝口宏二君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ─────────────    △ 散  会 57 ◯議長(溝口宏二君)本日は、これで散会いたします。         午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...